フラワーメイノラカ

SSSS.GRIDMANのフラワーメイノラカのレビュー・感想・評価

SSSS.GRIDMAN(2018年製作のアニメ)
4.0
毎年夏になると『こころ』を読む習慣がある。
『SSSS.GRIDMAN』は自分にとって、そういう作品になりつつあります。

原作の『電光超人グリッドマン』をはじめ、円谷特撮への敬愛を込めまくったTRIGARRの傑作。
それでいて、相米慎二に影響を受けていそうなオフビート、ロングショットが気持ちいい。
グリッドマン(CV.緑川光)の熱血が空回りするのが不憫でもあり可笑しくもあり。

OPがドチャクソネタバレかましてるんで書いていいか。
特撮部分をサブテキストに、メインストーリーは少女の救済。
まさに心の、インナーワールドの物語で、旧来のヒロイックなボーイミーツガールとは一味違うのが現代的。
ヒロインの茜が1人だけ長袖を着続けているというディテールに思春期の頃の自分が重なって泣けてしまいますね…オタクの自己投影。9話の切なさが白眉〜。

本作は先人の、オタクがオタクを批判するという内部抗争をぶん投げた責任の回収でもあり。
マジで10代の時に観たかった。呪い(のろい)が呪い(まじない)に昇華される瞬間。