『世界で一番星に近い街』と呼ばれるのどかな街。 石蕗正晴(つわぶきまさはる)はそんなのどかな街で普通の高校生活を送っていた。 しかしある日、ひょんなことから名前も知らなかったクラスメイト・秋姫すももと友達の撫子(なでしこ)と一緒に園芸部を手伝わされることに。 ひと仕事を終えて、やれやれ…とジュースを飲もうとした時、怪しい男にぶつかった正晴は、ジュースが入れ替わっていることに気付かず飲み干してしまうが……
朝、目覚めると人間の姿に戻っていた正晴。 変身は夢だったのだと思い込もうとするが、日が沈むとまたぬいぐるみに変身してしまう。 ショックを受ける正晴に如月先生は「日が昇ると人間に、日が暮れるとぬいぐるみに変身する」ことと「星のしずくをとるところを人に見られてはいけない」ということを教える。 さっそくその夜もユキちゃんとしてすももと一緒に星のしずくをとりにいく正晴だったが……。
七夕も近づいた初夏の夜、いつものように星のしずくが落ちてくるのを待っているすももとユキちゃん。 しかし、せっかく降ってきてもまだすももにはうまくつかまえられない。 そこへ突然謎の少女・プリマアスパラスが現れ「星のしずくをとるライバル」だと宣言する。 驚くすももだったが、アスパラスが次々に繰り出す魔法を使いまったくたちうちできない。 そしてついにアスパラスに星のしずくをとられてしまい……。
突然転校してきた結城ノナは、クラスメイトが話しかけてもほとんど無視して勉強し続けるようなクールな女の子だった。 そして夏、プールの季節。 水が苦手なすももはプールに入ることもできず、そんな自分に落ち込んでしまっている。 その夜やってきた星のしずくは、なんとプールの中に飛び込んでしまう。 身動きのできないすももの前にまたアスパラスが現れ、〝水と交わる〟呪文を教えるが、その呪文は水を怖がるものには使えないのだという……。
二泊三日の臨海学校にやってきた正晴は、ぬいぐるみになってしまう夜をどう乗り越えようかと悩んでいた。 そんな正晴の悩みをよそにそれぞれ楽しんでいるクラスメイト達。 圭介の夜の誘いを体調が悪いとごまかしてなんとか切り抜け、ユキちゃん(になった正晴)はすももに会いに行くが、ちょうどお風呂に入ろうとしていたすももは、ユキちゃんを連れてお風呂に行こうとする。 焦って逃げようとするユキちゃん(正晴)だが…!?
臨海学校ですももに好きな人がいると知った正晴は、如月先生と楽しそうに話すすももを見て、相手は如月先生かと落ち込んでしまう。 一方、ノナは裏庭に正晴を呼び出し、肝試しでおんぶしてもらったことを口止めしようとしていた。 そんなふたりを偶然見かけたすももの方も、正晴の好きな人はノナだと思い込んでしまう。 お互いに気持ちを伝えられないすももと正晴だが、その夜、すももはユキちゃんになった正晴に入学式で出会った男の子のことを話し出す。
すももに「好きだ」と告白した正晴だが、すももはどうすればいいのかわからず飛び出して行ってしまう。 それからというもの、すももと正晴は教室で目を合わすこともできなくなってしまった。 そして、正晴は告白したことを後悔し始めるが…。 一方、アスパラスは、すももが使った一瞬にして池を凍らせる技の出どころを調べようと躍起になっていた。 そして、その技を使ったことのある伝説の少女をつきとめる。
ついにお互いの気持ちがわかったすももと正晴。 だが、お互いに今まで以上にどぎまぎしてまともに話もできなくなってしまった。 そんな状況を見かねた圭介達が、すももから正晴をデートに誘うようけしかけてふたりはようやく初めてのデートにこぎつけるが…。 一方、すももがカリンの娘だと知ったノナは、すももに負けまいと古い文献を読みあさり猛勉強をはじめていた。
正晴と気持ちが通じ合ったことで、スピニアとしての力も強くなっていくすもも。 「ユキちゃんのために」と頑張るすももを見て、正晴は自分がユキちゃんであることをすももに隠していることに罪悪感を抱きはじめる。 正晴は、打ち明けたい、と如月先生に相談するが、そんなことをしたらとりかえしのつかないことになると言われてしまう。 一方、ノナは先日の対決以来ショックで学校を休んでいた。
すももにユキが本当は自分であることを明かし、ぬいぐるみになってしまった正晴。 すももはショックで泣き続けるが、如月先生と撫子の励ましで、正晴を自分の力で元に戻そうと決意する。 学校では正晴は病気で入院しているとということにして、クラスメイトに明るく振舞おうとするすもも。 だが、ノナは自分を責めようとしないすももを見て、いたたまれずに教室を立ち去ってしまう。
ぬいぐるみから人間に戻った正晴は、フィグラーレの力を直接体に受けた影響で記憶が混乱していた。 この状態でななつの星のしずくで作った薬を飲むと、正晴は完全に元の人間に戻れてもこの半年間の記憶を 失くしてしまうという。 そんなこととは知らずに7つ目の星のしずくを待ち焦がれているすももを前に、 正晴はその事実を言い出せずにいたが…。
すももと過ごした半年間の記憶を完全に失くした正晴は平凡な毎日を過ごしていたが、何か忘れているような感覚が離れない。 しかし、まったく思い出せずすもものことにも無関心。 すももはそんな正晴をせつなく見つめ、ふたりの思い出があるだけで幸せだと自分に言い聞かせていた。 そんなある日、学校から帰った正晴は、自分の部屋のクローゼットの奥に〝ユキちゃん〟の衣装があるのを見つけ…。