Yuto

湾岸ミッドナイトのYutoのレビュー・感想・評価

湾岸ミッドナイト(2007年製作のアニメ)
3.8
その車は
自ら意思があるごとく
狂おしく
身をよじるように
走るという…


楠みちはる原作の同名コミックスのTVアニメ(私自身は原作は未読)

湾岸を駆ける《悪魔のZ》と、それに魅せられる走り屋たちの物語


同じく車をテーマとした漫画で『頭文字(イニシャル)D』がありますが、イニDは峠のコーナーを巧みに攻める世界なのに対し、こっちは長大な首都高を時速300km/hで突っ走る世界です。
どっちが面白いかは人によって分かれるでしょうが、お話としての「イカれ度合い」は圧倒的に本作が上ですね。私のような素人、いや一般人には理解できない世界です。専門用語はほとんど理解できなかったです(笑)。いわゆる「マニアック」な作品ってやつです。

いろんなキャラクターが登場しますが、車のために他のあらゆるものを犠牲にするような者ばかりです。本当にヤバい奴らです。しかしそんな彼らの葛藤にもしっかり焦点を当てつつ、車と向き合う生き様・思想の数々を描く世界観は(最初は戸惑いましたが)嫌いじゃないです。むしろ、こういう作品の在り方は尊敬に値します。

アニメーション制作スタジオはイニD(Fourth Stage)と同じであり、安定のハイクオリティで見応えがあります。特に首都高のモデリングもとてもよく作り込まれており、爆音を轟かせながら走る車と後ろに流れて行く背景も併せて疾走感満載のダイナミックな映像を楽しめました。ライティングも素晴らしいですね。

小栗旬の演技は、まぁ普通。すごくいい声はしてるけど、プロの声優にはいま一つ及ばないかな。
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