タイムループものの傑作!極上のSFにしてホラー、ホラーにしてミステリー
全25話俯瞰(フカン)してみると真夏の夜の夢?
多元世界をつなぐものは”たこやき”だった・・・
ジャケットからは、なんだか甘い甘いラブコメのたぐいかと勝手に想像していたが、あっさりと裏切られた。
ガチのタイムループものだった。
漫画的なところもほどよくブレンドされており、後半は怒涛の展開が連続、一気に真夏の夜の夢が駆け抜けていく。
いやはや痺れっぱなし😆
‐タイムループに痺れる
過去の時間へとさかのぼるタイムワープのなかで、同じ時間帯を何度も繰り返すタイムループ。
その切り口に面白い作品いろいろあるけど、本作のタイムループはユニーク。
一般的な。。。という言い方もあれだが、一般的にタイムループに置かれた主人公のミッションは、いかにこのタイムループから抜け出せるか。本人の意志とは関係無く、余儀なくループを繰り返す羽目に陥っていることに気づき、どうやればここから抜け出せるかを試行錯誤するのが普通。
ところが、本作の主人公はというか、この物語は意識的にタイムループを利活用する。
いかにこのタイムループを効果的、効率的に使えるか。
特に後半の鍵となるが、タイムループにより学習し、その学習結果を次のタイムループへ繋ぐといった、なんて言えばいいのか、生成AIの教師あり学習も真っ青の”多元学習”みたいな離れ業に痺れる😲
‐異形(いぎょう)との戦いに痺れる
昨今「鬼滅の刃」「呪術廻戦」といった、人とは違う化け物が人のような思考を併せ持つ、いわば異形(いぎょう)のものとの戦いが人気。
本作もそれに漏れず、後半のメインは異形との戦いが中心となる。ジャンプの漫画らしい展開ともいえる。
敵もさるもので、主人公らの裏をかく。
主人公らはさらにその裏をかく。
敵はお見通しでさらにその裏をかく。
といった、怒涛のシーソーゲームがエキサイティングで痺れる。
また、この異形が敵ではあるが、敵のなかには敵の親分の制御ができない敵がいて。。。
このあたりが重層的で物語に厚みを出している。
‐真夏の夜の夢に痺れる
主人公慎平(吹替:花江夏樹)の口癖は、”俯瞰(フカン)して見る”
全体を大きく捉えてみることで、ミクロ視点では見えていなかった状況がみえてくる。
一見バラバラの出来事の繋がりがわかってくる。
最初のタイムループでは事態を飲み込めない慎平も、ループで起きる想像を超える出来事を通して、自分の置かれている立場、いったい何をすべきかを俯瞰することにより把握していく。
それらの物語が終わるとき、いったいあれは何だったんだと。
多元世界における”真夏の夜の夢”に過ぎなかったのかと。
結局、”夢オチ”か?と。
しかし、最終話の最後の最後で慎平と潮が交わすセリフに痺れる。
と同時に不思議な安堵感を得る。
あれは夢ではなかったと。
-25話完走した感想
残暑というか、まだまだ真夏真っ盛りだけど8月も終わる。
電子書籍の積ん読漫画(話題性があったものをとりあえずポチってそのまま放置)の中から、たまたまサマータイムレンダの原作1巻が目に止まり、タイトルからして夏っぽいのかな、夏終わる前に読んどくかなと読んだところ、「なんじゃこりゃ!」😲と慌ててアニメ版を見たしだい。
凄いものをみてしまった。
この手の連続ものにありがちな、スピンオフ的なものを途中で描いてしまって中だるみするといったことは一切なく、最初から最後まで目が離せない展開😆
アニメを敬遠しがちな方にも、まずは1話みてほしいと強力にオススメできる作品。
きっと、え?え?え?ってなること請け合いです。
そして最終話できっと・・・あなたもたこやきが食べたくなる???🤣