韻が固え。
とにかく箱庭的で、現代が嫌味なほど無機質に凝縮されています。
とても頭のいい人がとっている、数学のノートを伺い見たようなかんじ。
見開きで解まで導かれている、消した跡すらなく。
その裏にある思考の軌跡や努力は窺い知れないけど、ああ完璧を目指したんだな、ということはわかる、結果だけがそこにある。
そんなアニメ（＋オーディオドラマ）でした。
何か大きなことが起こっている予感を散りばめて注意を引きつけつつ、ただこちらには手を伸ばしてこない。
大層な完璧主義で、こちらを信じているようで信じていないのかもしれないし
そういうあり方は、柴垣さんのような激情型の芸術家を凍らせたみたい。
それこそが現代なのかもしれない。不特定多数が不特定になりすぎたので、最早共感を諦めた姿かな。
オーディオドラマのコメント欄まで含めて作品なんだと思うと、箱庭に囚われた小人みたいな気がしてしまうね。
