いつものこみパ会場、和樹は彩のサークルと隣り合わせで参加していた。挨拶回りに訪れたすばるに、和樹は彩の本を薦める。スーパーヒーローがテーマのそのオリジは、すばるの琴線を炎上させた!「こんなに面白い本が売れないなんてウソですの!」こういう本はたくさんの人たちに読んでもらいたい。すばるの切なる願いは暴走を始める……!?
夏がやってきたというのに、大庭詠美にとって世界は終末を迎えていた。「補習」の二文字が和樹と約束した目映い海を阻むのだ。とぼとぼと歩く帰り道、海へと誘うポスターに見とれてしまい、さらに黄昏れる……。 「何をやっているのだ、あんなところで足を止めて……ぬぉぉぉ!」詠美の視線を追った大志の目には、全く別のモノしか見えなかった。この誤解が恐怖の渦を巻き起こす!?
またしても詠美と由宇が揉めていた。CATorFISHと辛味亭が、次のこみパのスペースにダブルブッキングされてしまったのだ。二人が共有スペースを望まないのであればどちらかが涙を飲むだけだ。 「爽やかにスポーツで決めるべきだな!」大志の提案にそれまでは何やらの漫画を読んでいた南が乗った。「じゃあ、野球にしましょう」団体戦で一番大変なのはメンツを揃えることだ!詠美と由宇の知り合い巡りが始まった!?
こみパに集う者たちの良きアドバイザー牧村南。優しい微笑みは大人の余裕を感じさせるが、一人になったときにはため息もついてしまう……。一方、トップアイドル桜井あさひは新たな挑戦を強いられていた。作詞……自分の気持ちを曲に乗せて歌おうというのだ。そんな二人が出会ってしまった。しかも南さんの早合点がとんでもない事態へと千堂和樹を引きずり込む!「何よ、和樹ったらデレデレしちゃって!」「いかなる理由があろうとも、このようなことは絶対許せん!」それぞれの思惑がぶつかり合い、やがてこみパと、コンサートの日がやってくる!!
こみパ会場でコスプレを楽しんでいた瑞希は盗撮されたことをきっかけに、オタクへの嫌悪感を再び抱いてしまう。そんな中、こみパ準備会主催のイベント、「コスプレ・ファイト!」が開催されるという…。瑞希の急激な人気上昇に危機感を抱いていた美穂はここぞとばかりに玲子をたきつける。瑞希との『勝負』にあまり乗り気でない玲子。一方の瑞希も、もうコスプレはしないと言い、一緒に足を洗おうと和樹に迫る。瑞希がブラザー2の売り子を辞めるなら自分たちがなる、と現れる美穂。ただしその交換条件は和樹の描いたBL本……。どうすればいいのか判断に困る和樹。瑞希と玲子のコスプレファイトの行方は!?
早々と原稿をあげたすばるが、和樹に原稿を見せているところへ千紗の暴走暴走台車が……。早速印刷を頼むすばるだが、なぜか千紗は号泣を始める。聞けば、父が倒れ、母も父の付き添いで家にはおらず、塚本印刷はしばらくお休み……かと思いきや、そんなことではノルマを達成できず工場を差し押さえられてしまう!何とか自分だけでも、とたくましさをみせる千紗。いっそみんなに手伝ってもらおうと提案するが、皆こみパ直前で忙しい……。原稿を終えているすばるが手伝いに名乗りを上げるが…。
ぐーたらしている和樹の元に由宇が温泉だ!と、飛び込んでくる。神戸で家が旅館をやっている由宇は、宿は提供するので関西こみパで手伝って欲しいという。たまには温泉でのんびりするのもいいかな、と和樹。瑞樹たちいつもの面々も共に向かうことに…。小さいけど老舗の猪ノ坊旅館へ付いた一行。みんなが温泉旅行を楽しむ中、どうも由宇の様子がおかしいことに気づく和樹。なにやら和樹に言いたい事があるらしいのだが…
ある日のテニスコート。いつもの面々がダブルスでテニスをしている。その中でも詠美・由宇コンビはすばる・千紗コンビ、コスプレ娘3人組を次々と破り、際立った強さを見せる。そして瑞樹・郁美コンビの最初の対戦相手はあさひ・彩コンビ。相当量の練習を積んできたあさひは試合に自信を見せる…が、瑞樹にあっさりと敗れてしまう。握手を求める瑞希のジャージに垣間見えたものは…!?
夏こみパの仕込みに入った和樹に、たまには部屋から出たほうがいいと言う瑞希。コミパの仕込が、と渋る和樹に『だんだんオタク顔になってきるわよ!』と、鏡をつきつける瑞希。そこでいつものメンバーでキャンプへ行く事に。しかし、着いてみると何と大志が食料を持ってこなかったことが発覚する。再び来た道を引き返す一同だが、一本道を戻っていたはずなのにキャンプ場へと戻ってしまう。なんと!そのキャンプ場は脱出不可能の迷いの森だったのだ!!食料もなく帰ることもできない状況に途方にくれる一行。そこに現れる戦闘服を着た謎の集団は一体…!?
ゲーセンで格闘ゲームをしている詠美。対戦者に勝って浮かれる詠美に新たな挑戦者が。軽くひねってやろうと思っていた詠美だが、逆に一方的にボコられてしまう。悔しさのあまり相手を見るとなんと桜井あさひだった。実は大のゲーム好きのあさひだが、仕事イメージの手前公にはできず、こっそりとゲーセンにくるらしい。それをどう誤解したのか、詠美はあさひがライバルに苛められたり腹黒いスタッフたちに囲まれていると勘違い。「私が一緒に遊んであげる!」と言い出す詠美に「それってお友だちってことですか?」と聞き返すあさひ。かくして「お友達」になった二人だったが…。
彩、由宇、詠美、の元に次々と届けられる謎の同人誌。その中身を見てしまったせいで三人は漫画が描けなくなってしまった。その同人誌は噂に聞く毒同人だったのだ!毒同人、それは見た者の同人生命を百日縮めるという恐怖の同人誌……。その毒同人の発行元が和樹の大学のサークルだと気づいた和樹は瑞希、玲子と共に怪しい雰囲気の旧サークル会館へ向かう。薄暗いサークル会館の中はその外観に負けず、怪しい雰囲気だった。和樹たちが天井一面に貼り付いた出がらしティーパックの『悪夢のサボテン畑』や、漫研とアニメ研が一年間買いに買った雑誌やコミック、同人誌が一年日度、積まれている自らの重さに耐え切れなくなって恐怖の大波と化す『ビック・ウェンズデー』などを体験(?)しながらも、ついに漫研前にたどり着く和樹たち。しかし、その部屋の中からはどこかで聞いた事のある声が……。
大学の学食、玲子と就職の話をする瑞希。その瑞希に和樹はこのまま同人で漫画を描き続けるのかと聞かれ、悩んでしまう。そんな和樹の様子を見た彩がちょっと付き合って欲しいと和樹を連れ出す。連れて行かれた先には以前和樹に声をかけてきた商業誌の編集者澤田がいた。彩も澤田に声をかけられていたのだ。彩は答えを出す前に澤田たちの仕事が見たいと言い出す。澤田の(編集者の)仕事を見学させてもらう事になった彩と和樹、その出版社で同じく見学に来た瑞希と玲子に会う。和樹と彩はそこで、あまりにも予想外の商業誌の実態をかいまみる。一方の瑞希と玲子はアニメ誌の編集者長瀬について原稿集めやライターたちの現状を知る事に…。その頃、澤田の元に漫画家が原稿を落としてしまいそうだとの連絡が入る。思わず名乗り出る和樹と彩だったが…。
和樹がこみっくパーティーで『壁スペース』に選ばれた。俺なんかが何故、と驚く和樹。いつも通り描きたいものを描けばいいという由宇や南、一方で描きたいものを描いても売れなければ意味がないと主張する詠美。困惑する和樹をよそに、周りの雰囲気は高まり、それは和樹へのプレッシャーになっていく。いつものように筆の進まない和樹の下にいつもと雰囲気の違う瑞希が現れる。瑞希にマンガを描くことから何気なく離れさせられる和樹。いい気分転換になったので、何か礼をしないとな、という和樹に瑞希は自分の絵を描いて欲しいという。絵を描く準備をした和樹の前へ現れた瑞希は…。
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