人見知り陰キャコミュ障のぼっちがバンドに加入することになるお話
大傑作。今まで原作の一コマを抜き出した漫画という印象(「ネットでの居場所が無くなってしまう...!」など)しか無かったが、1話を見てその印象は一気に変わり、最後まで面白さを加速し続けたまま最終回でその面白さを一気に突き抜けた。
原作はきららでこのアニメももちろん日常系きららアニメ。だから基本コメディで進むのだが、そのきららのハイテンションコメディの中に垣間見える前衛的な構図のカットと演出が素晴らしい。廊下と教室を広角レンズで映したカットは見事1話と最終回の重複としても機能し、その他にも前衛的な演出がちゃんとコメディとして機能しているのだ。
そして、ライブシーンではそれが顕著に光る。ギターの柄から弦を映したカットなんて最高と言うしかないでしょ...(シンエヴァ冒頭のエッフェル塔視点を思い出す)
また、アニメでしかできない演出と前衛的な演出を掛け合わせながらも、実写映画的な要素を入れてくるからズルい。タイトル回収時の自販機の場面はかなり実写映画的なのだ。これまでのテンションとは明らかに違うけど、この場面が1番現実に即していて、自販機という日常感溢れるロケーションながらも非日常感を醸し出している。自販機の光に照らされるぼっちちゃんと虹夏ちゃんの絵面は間違いなく素晴らしかった。
ここからは自分語りになるんだけど、ちょうど放送期間中に高校の文化祭があってそこで軽音部で出て、その文化祭の演奏を最後に軽音部を辞めた人間だから間違いなくその傷を抉られるだろうなと思っていたけど、見始めると結束バンド4人の関係性が滅茶苦茶良くて現実のことは結構忘れられて良かった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!今はもうバンドと言えば軽音部よりも結束バンドの印象の方が強い。印象を上書きしてくれてありがとう...