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1年前――東京湾・葛西沖に墜落した円盤。それは人類が初めて出会う知的生命体・『ディアーズ』の宇宙船だった。温厚で友好的な彼らとの交流を経て、人類は新たな一歩を踏み出すのか――？　……が、それとは全く関係なく、世話焼きの幼馴染みと危ない女教師に囲まれつつも、気ままに暮らす高校生・幾原武哉。そんな彼が偶然出逢い、そして助けた謎の美少女。彼女は武哉といきなり唇を重ね、そしてささやく……。

高校生・幾原武哉が助けた、謎だらけの美少女・レン。異星人「ディアーズ」であるらしい彼女と、なし崩しの同居生活が始まる。とびきりの美少女との甘い生活……なはずもなく、とことんふりまわされてばかりの武哉。買い物にでかけても誤解を招く言動連発のレン、マイペースな寧々子、そして露出教師・蜜香の襲来。たまりかねた武哉がレンに叫ぶ「いーからどっか行ってろ！」――気がつくとレンの姿はどこにもなくて……。

「んなんで全裸かあああ～！」相変わらず非常識が服を着て……着ないで歩いている状態のレン。それでも武哉や寧々子との生活には馴染んできた模様。ついにはなりゆきで、武哉の高校への留学生と間違われてしまう。その頃小春町では、本当の留学生であるミゥ、レンを「欠陥品」として追っている……はずのニアなど、レン以外のディアーズが現れて……。何やら武哉の意志とは関係なく、彼の周囲が賑やかになっていくようだが……。

誤解が誤解を呼び、留学生として武哉と小春高校に通うことになったレン。そこに現れた本当の留学生＝お嬢様口調のミゥは、真のディアーズ留学生の座をかけてレンに勝負を挑む。短距離走ではレンの反則負け、学力はハンディつきで引き分け。微妙に理不尽なジャッジを経て、辿り着いた最終決戦は料理対決。課題となった"芋の煮っ転がし"を、心をこめて料理するミゥ。一方、レンが手に取った食材は……メロンパン？

ディアーズ全体の名誉のため、ミゥはあたかも小姑の様にレンの世話を焼く。そして「奴隷」であるレンが非常識なのは、「ご主人様」である武哉のせいと責める。……そう言われても武哉は何一つ解っていないのだが。「ご主人様」を見つけだしたレンを、ミゥは「うらやましい」と語る。ディアーズにとって「奴隷」とは？「御主人様」とは？　……そんなテーマをよそに、武哉の布団の上では、何やらアヤしい雰囲気が……。

「レンが今したことは『いけないこと』か？」危ない夜が明けて憔悴の武哉。いつも通りのレンの様子に、武哉の胸中は複雑だ。一方、ホームステイ先の老夫婦に大事に扱われ、「ご奉仕」する機会のないミゥ。その抑圧された思いは、レンとその主人である武哉に向けられる。「ディアーズの素晴らしさを教えて差し上げますわ！」そこにはディアーズとしての職務や本能だけではない、彼女の「想い」が秘められているようだが……。

突如帰国した武哉の妹・菜月。ディアーズであるレンとの出会いに感激し、一方的に友達宣言をしてはしゃぎまわる。その奔放さに振り回されつつも、兄として家族サービスに励む武哉。しかし、武哉とレンが共に住んでいることを知って菜月は激怒。学校におしかけるわ蜜香先生は火に油を注ぐわで、事態はややこしくなっていくばかり。それは「兄の恋人（？）」に抱く嫉妬か、それとも……？　そんな騒ぎをよそに、一人思い悩むミゥは……。

小春高校の退学を決意するミゥ。彼女は、ホームステイ先の老夫婦の「優しさ」に戸惑っていたのだ。彼女にはレンの努力も、武哉や周囲への甘えにしか映らない。苛立つミゥはレンに、ディアーズの伝統競技による決闘を申し込むが、アクシデントで武哉とミゥは暗い穴の中で二人きりに。暗闇に怯えるミゥが絞り出すように語る彼女の過去……かつて、レンのように失敗ばかりだったミゥにも、大切な「優しいご主人様」がいた――。

小さい頃から家族同様に育ち、武哉の世話を焼いてきた寧々子。いつも飄々とした態度だが、レンやミゥたちの出現には「複雑な」気持ちがあるようだ。そんな寧々子の気持ちは、ある日の武哉の無神経な一言で浮き彫りとなる。しかしレンとミゥには、寧々子の笑顔の奥にある痛みがわかってしまう。謝る機会を探す武哉。そして、武哉への気持ちにとまどいを隠せない寧々子。そんな二人の心に、幼い日の出来事が甦る……。

気がつけば留年の瀬戸際にいる武哉とオイヒコ、そして「武哉と一緒に留年する」ときかないレン。ディアーズの名誉のためと、妙に協力的なミゥや寧々子と共に、武哉の部屋で勉強会が行われる。ミゥと武哉の仲睦まじい様子にレンの心に微妙な変化が……。一方、「湯にアータルスタジオ」の一件以来、ディアーズの円盤ではルビとザキの対立が深まっていた。ニアや菜月らも入り乱れる中、何やら武哉の周囲には不穏な予感が漂い始める……。

ディアーズのいる生活が当たり前になってきた武哉。同居するレンの料理の腕が上がったのはいいけれど、人目をはばからぬラブラブぶりに、武哉はちょっとウンザリ気味。そんなある日、うっかり武哉を怒らせたレンは、小春高校一のプレイボーイでナルシスト・野仲のいる被服準備室へ迷い込む。一方ディアーズ本部のルビは、サキに“ゼロナンバーズ”＝レンの回収を命じていた。いろんなピンチがレンに迫る、あやうしレン!?

「どうしたらよいのか、レンにはわからない」――ディアーズは奴隷として生産される宇宙人だった。自分の意志を持たず、考えずに、モノとして消費されていく……。武哉はそんなディアーズの正体を知り、レンの回収に同意してしまう。翌日、小春高校での最後の挨拶の途中、突如逃亡するレン。捕まれば永久凍結処理が待っている。海に落ちた武哉を助けたレンは、「武哉と一緒にいたい」という自分の意志を告げる。そして武哉は――。