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火の鳥のFranKaのレビュー・感想・評価

火の鳥(2004年製作のアニメ)
5.0
言わずと知れた名作。

● EP.1: 火の鳥は実在するのか、それとも、不死に対する人間の欲望の象徴なのか。文明がいかにローカルな文化を支配してきたかも、よく描かれている作品。

● EP.2: 猿田彦とナギの関係性が紡がれていく。人間社会には権力差がどうしたって生じてしまう以上、《赦し》や《信じる》ということ、そして《再起》は、時代を超えた、一貫したテーマなのだろうと思う。

● EP.3: (1) 卑弥呼の暴君ぶりが描かれる。自身の強み(呪術)で支配することを絶対視し、自分の判断を疑うことをしない。それが、敵をつくっていくことに。(2) さらに、老いや死に逆らおうとする卑弥呼。欲望に駆られた末に絶命。(3) ウズメにも過去がある。

● EP.4: (1) ナギは「よそ者」だからこそ、卑弥呼の霊前でさえ、躊躇せず火の鳥を持ち出すことができたのではないか。(2) 生命は途絶えることはない、というメッセージ。(3) ナギ;猿田彦らから、タケルヘと物語が継承される。

● EP.5: 復活篇。現代にも通じる問題ばかりを主題とする、手塚治虫氏の慧眼に驚くばかり。(1) 人工知能を脳に(半分)移植したゆえに、心までもがロボットになったレオナ。他者によって過去を再生「させられる」ということは、想像以上の暴力行為なのではないか。(2) 《運命》とは何か。十分明晰に表象できない過去の記憶に導かれることをいうのか。

● EP.6: 復活篇2。(1) 人工知能によって「生き続ける」ことに意義はあるのか。「生き続ける」ことは罰なのか。ロビタとして生き延びることの意義。生命とは何なのか、考えさせられる。(2) 父との確執。どんな手を使ってでも生き続けることが、父への復讐と考えていたレオナ。

● EP.7: 異形篇。次元の狭間において、生き続けるということ。因果応報とは。

● EP.8: 太陽篇1。
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