ラスコーリニコフ

ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Seasonのラスコーリニコフのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

学園ディストピアを描く作品だが、初の退学者が出てくるなど、ようやく本格化した感があるが、前期のバイオレンスの方が刺激はあったか。とはいえ、今期でようやく理解したテーマが二つある。一つは教育論だ。学園は自由競争を主義とするが、学内政治によって過剰な脱落者を誘発する(Aクラスでの卒業が保証する約束については、納得のいく描写が見られないが…)。他方のホワイトルームは天才を大量生産することを目的としており、脱落者はいるだろうがある種の共産主義的色彩がある。とはいえ、主人公はホワイトルームの最高傑作であり、これが学園の頂点に立つことは明るい意味を有さない。もう一つのテーマは主人公の人格的成長である。最後に軽井沢と交際するなど、外形的には人間らしさが見えてきたが、中身はおぞましい。人間社会に真の意味で溶け込めるのか、独白ほどに彼がおぞましいのか(自己欺瞞でないか)がポイントになってくるだろう。