"あんたに今必要な仮面はそこには無いぜ"
■作品について■
幼年・児童誌としては特殊な傾向にあったコミックボンボンで連載されていた漫画が原作。
連載当初は少年漫画風だったけど、話が進むにつれて重厚な雰囲気や舞台を備えた作風へと変化し、絵柄もさながら絵画のような表現を用いたものになったことが特徴。
作風・世界観はティム・バートンの影響を強く受けているらしい。
主要登場キャラクターには主に酒の名前が付けられている。中にはカクテルの用語・道具の名前が付けられているキャラクターもいる。
作者の長期病気療養により関係者でも連絡が付かない状態にあったため、
長期間ネットでの合法配信がされていなかったが、2017年7月よりdアニメストアで初のネット配信が実現。
■感想■
2007年に廃刊した月刊コミックボンボンで連載されていた漫画が原作のファンタジー作品。
ストーリーは、
泥棒の主人公がお宝を盗む→全員ハッピーエンド
とわかりやすい内容で、平均2話で1ストーリー完結のオムニバス形式。
原作との相違点は
主人公が一貫してクールな性格に。代わりにコミカルな部分は相棒が全部担当する形になっている。
本作最大の特徴は、
文学的とも取れる言葉遊び的なセリフ回しと魅力的な世界観。
各登場文物が発するセリフは1つ1つが一捻りした言葉で、本当に児童向けなのか…と疑いたくなるほど。
また、主人公が訪れる場所は「欲」に支配されていたり、「時間」に支配されていたりと独特な世界観で構成されている。
そんな舞台で主人公が盗むのは単にお宝だけではない。
もっと特別な『気持ち』まで奪っていくのが児童漫画の域を超えていた。
そして何と言ってもスクーデリア・エレクトロによる作品中の音楽も逸品だった。
ただ、戦闘がメインではないとしても必殺技が1つしかないのは残念🤔
そんな本作、不思議な世界観をオムニバス形式で観たい方にはおススメできる。