ろいろい

無限のリヴァイアスのろいろいのレビュー・感想・評価

無限のリヴァイアス(1999年製作のアニメ)
3.3
💠favorite line💠
"明日なんて来なければいいのに"

🎞️catch phrase🎞️
『俺達には救いなんかいらない』

🎞️story&information🎞️
西暦2225年、航宙資格教程の訓練用ステーション“リーベ・デルタ”で16歳の少年、相葉昴治は弟の祐希や幼なじみのあおいたち仲間たちと教習を受けていた。
ある日、“リーベ・デルタ”がエネルギー補給のためゲドゥルトの海に降下。
その時突然、“リーベ・デルタ”が制御を失い、ゲドゥルトの海へ沈没し始めた。
生死に追いつめられた相葉とその仲間の少年たちは、脱出を図ろうと奔走していたとき、見たこともない可潜艦“リヴァイアス号”を発見した――。


監督は谷口悟朗。

谷口悟朗のアニメ初監督作品。
SF版「十五少年漂流記」あるいは「蝿の王」をコンセプトモチーフとして制作が開始された。
監督は続編映画制作のオファーが来ていたが「冗長が嫌」と断ったため、かなりの圧力を受けたとのこと。

🎞️review🎞️✐✐✐✐✐✐
1999年に放送されたSF作品。
全26話。

鬱作品の1つとして有名だから知っている人も多いはず。

閉鎖的な環境と統制されない秩序
理性と私利私欲
極限状態に残された少年少女たち487人が、如何にして生き抜いていくかを描いた群像劇となっている。

序盤は何ともないストーリー。
と思いきや、よく見ると露わになっている不安定な人間関係。
平和に見える日々も何かがおかしかったり混沌とした空間が漂っているのがわかる。
そして徐々に壊れてゆく人間関係と体制。
理想と現実が交差し、理屈と感情がクロスする。

13話からが地獄の始まりだった……。
誰一人として事態を打開できるヒーローのいない世界。
その中で自分は何をすべきなのか。
艦内の社会は封建制度→無法地帯→恐怖政治と変化し、怪しげな宗教まで現れる始末。

壊れていく人間に対して主人公が出した答えは『笑顔』だった。
あの狂気で満ちた世界の中で、あまりに健全な主張を通した主人公。
あぁ、、、だからこそこの平凡な人間・相葉昴治が主人公だったんだ。

ただ、ラストの主人公の選択には納得できない。
もともと90年代後半の"価値紊乱の時代"を背景にした生粋の陰のオタクを根にもっているキャラだから
最期の最期まで流された選択をしたのは残念。

傲慢、嫉妬、怒り、怠惰、強欲の感情や人の深層をえぐってくる本作、今から観る人は気を付けて下さい。

以下余談。
・主人公は
実務能力は平凡だけどコミュニケーション能力がめっちゃ強い
ではなくて
実務能力は平凡だけどコミュニケーション能力がめっちゃ強い"設定"
・ちなみにメッセージ性は皆無。

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story:dアニメストア参考
information:Wiki参考
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