アー君

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダースのアー君のレビュー・感想・評価

4.0
承太郎が活躍した第三部が個人的には一番好きかもしれない。日本人であるのもそうだけど、(厳密にはクォーター)生きていたDIOを倒すという目的と題名の「奇妙な冒険」という言葉が完全に一致していたと思う。ただ最初にスタンドが出た時は大丈夫かな? と不安ではあったけど。

しかし物語として評判が良すぎたために、エジプト辺りでタロットカードのネタが尽きて、エジプト九栄神を使ったけど、それも尽きて暗示のないスタンド使いが出たのは行き当たりばったりな感じはあった。迷路を作るスタンド使いとかヴァニラ・アイスの回には当時スタンド名はなかった。(特集本で調べたら、テナーサックスとクリームらしいけど笑)

映画の引用も結構していて、スピルバーグ「激突」、フライシャー「ミクロの決死圏」とか、後半では扉から顔出しをする男の場面はキューブリックの「シャイニング」をそのまま真似をしていたが、知っている読者に対する遊び心なのか? アイデアが尽きたのか知りたかった。

共にエジプトに行った仲間でポルナレフは途中からカリスマ性が出てきて、作者としても殺せずに生き残らざる得なかったのかとは思った。(ただジョルノの話にゲストで出演したのは驚いたけど)

DIOがエジプトにいるというアイデアは荒木氏ではなく、著名な編集者からのアドバイスだったらしいけど、そのプロットは単調にみえるけど重要な構成である。

最後に承太郎とDIOとの闘いは途中で承太郎がある能力に気付いて、お互いがどのような駆け引きで闘うかであり、心理戦も交えて大変面白かったけど、肝心の最後の一騎打ちだけが、急につまらなさを感じて残念だった。

[2015年6月12日:MXテレビ]
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