やなぎ

イリヤの空、UFOの夏のやなぎのレビュー・感想・評価

イリヤの空、UFOの夏(2005年製作のアニメ)
4.4
原作小説は人格形成に影響を受けたレベルでフェイバリット作品。
もはや萌え要素はいらない。

ただ、元々は原作の文章力で成り立っている作品なので、アニメ自体は読んでいるか読んでいないかでまるっきり評価が変わってしまうと思う。ファン向けのアニメ作品というべきか。


オールタイム理想の主人公は浅羽かもしれない。
周りに流されやすく青臭いけど、等身大で嘘がない。
ひとつひとつの行動が実は浅羽にしかできないかもしれないギリギリのラインなのがいい。

そういったひとつひとつで浅羽とイリヤの関係性が積み重なっていく。
その積み重ねがあるからこそ終盤の海辺のシーンが価値のあるものになっている。(んだけどアニメだとサラッと流される)

『自分は一体、何を失おうとしているのだろう。』

ラストシーンのよかったマークのミステリーサークル。これ以上ないってぐらい完璧な終わり方だな。

にしても3話のマイムマイムは最高のシーン。
よくアニメ化できたなぁって思う。

6話も良い。
終始榎本の描き方もとても良かった。
ラストの慟哭は葛藤する大人としての役割を感じられてグッとくる。

4,5話は尺不足感が否めない…記憶の後退の辺りは制作陣はもう少し丁寧に描きたかっただろうなとは感じる。
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