夏×宇宙戦争×ボーイ・ミーツ・ガール...。セカイ系を語るうえでは外せない伝説のライトノベルをアニメ化したやつ。原作の最大の魅力といえば詩的でリズミカルでおっさん臭い(？)あの独特の文体なのだが、その文章に記されているイメージを率直に映像化しただけの本作は個人的に物足りない印象が残る。実は原作のストーリーってけっこう陳腐で、それを作者の神がかった文章力で成立させているだけなので、要はあのお話から文章表現を引いてしまったらそこまで大したものが残らないのである(それは言い過ぎかも)。とはいえ、原作のビジュアルをかなり忠実に再現した映像はよく出来ているし、全編に渡って漂う香り立つような平成の空気も超魅力的。本作見てちょっとでも良いなと思ったらぜひ原作読んでください。あと秋山瑞人はさっさとE.G.F.かDB3か新作小説を出してくれ。
