このレビューはネタバレを含みます
頼もしく成長していく頭脳派アルミン、イキがるがバランスの良いジャン、仲間想いのドS潔癖症最強兵士リヴァイ、そして何より、率先して辛いことを引き受けては、いつもボロボロになるライナーが特に好きでした❤️
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昨日の友は今日の敵。
またその逆もあることを、これほど実感させてくれた作品は他にない。
ジークの死生観、アルミンの幸福論。
生命や人生についての対話が興味深い。
ジーク
「結果的に生命が残った理由は、生命が『増える』という性質を持っていたからだ。増えるために生命は姿形を変えてゆき、あらゆる環境に適応し今日の我々に至る。より多く、より広く、より豊かに。つまり、生きる目的とは、増えることだ。….. 生命は今日も増えようと必死だ。何せ死や種の絶滅は、増える目的に反する。そのために恐怖という罰則があり….. その苦しみから逃れようと必死だった。」
「今起きていることは、恐怖に支配された生命の惨状と言える。全く無意味な生命活動がもたらした恐怖のな…。….. 生きているということは、いずれ死ぬということだろ。案外、事切れる前はホッとするのかもな。何の意味があるのかも分からず、ただ増えるためだけに踊らされる日々を終えて、これで自由になったって…。」
アルミン
「この何でもない一瞬が、すごく大切な気がして…。….. これは、増えるために必要でも何でもないですけど、すごく大切なものなんですよ。」
意味はなくても、それだけで良かった。
死に急ぐ必要はない。
2000年もの間、ユミルは愛する人の望みを叶え続けていた。それは、自身を含め多くの人々の命を犠牲にしても、報われない愛だった。
エレンの行動によっても大勢が死んだ。どんどん自分と仲間から離れていくのに、どんな状況でも常に彼を援護し追いかけるミカサ。
守るべきは、過ちを犯し続けるたった1人の最愛の人か、それとも戦況に翻弄される無実の民衆か。
正しい選択が、愛を昇華できたのかも知れない。
(ミカサの異様な重さが無意味でなくて良かった😌)
結果的に…
無垢の巨人という、一切罪悪感なく笑顔で同胞を蹂躙する存在が居なくなったが、
「人間」だけになった世界では、果たして。