ゆず

平家物語のゆずのネタバレレビュー・内容・結末

平家物語(2021年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

びわのほっぺがとてもよい。

2クールくらいやってくれても全然良いと思ふ。19時台の名作劇場復活として民放地上波など。それくらいのポテンシャルを本来は秘めている作品。(←?)
しかし、1クールゆえの良さもまたあったのだらうと思ふ。少女"びわ"の目を通して見る、平家の栄華から滅亡までのハイライト。

その間、15年。びわはまるで歳を取らず子供のままだった。周りの子供らは成長し、ヒゲなぞ生やしておるというのに。でもそのおかげでびわのほっぺはいつまでもよいままだった。
びわの眼は未来を幻視する不思議な眼だ。通常の時間の概念が当てはまらない存在、それがびわ。肉体も時間から自由だといふことか。
稚児の姿であることにも意味があるんだと思ふ。それは幼い子供ならではの無垢な目で世界を平家を見るといふこと。つまり、善とは悪とは…みたいな方向へは行かない。びわにとって、つまり本作にとって、平家は"良き隣人"である。
もう一つは、無力な子供のままでいることが傍観者たるびわに求められているといふこと。大人になって力を手にして平家物語に介入されては困る。そう考えると、"子供のまま成長しない"といふのはある意味で残酷なり…と思った。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と時を同じくして始まった本作。放送中は両作を見ていたが、どちらも個性的なキャラづくりで、良い意味で混乱した。こっちではこんなんだけど、あっちではあんなん、みたいな。全然別人じゃん、みたいな。
源頼朝については、大河では大泉洋、「平家物語」では杉田智和。これはなんかキャスティングの方向性が完全に一致していると思ふ。それぞれ俳優界・声優界の"オモシロおにいさん"枠の人ですよね?謀った?

びわのほっぺがとてもよい。何回だって言うよ。
ゆず

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