ブタブタ

スター・ウォーズ:ビジョンズのブタブタのレビュー・感想・評価

4.0
『The DUEL』
SW×黒澤明。
SWエピソード4は『隠し砦の三悪人』が元ネタの一つって既に超有名ですが特にSWエピソード1は多分に黒澤明後期作品(『影武者』『乱』)の影響が顕著でオリジナル側からのあからさまな逆パロディというか、みんな思いつくけど実際に作品にしたのは神風動画が初めて?
基本はみんな大好き『七人の侍』
クローン・ウォーズでも確か『七人の賞金稼ぎ』ってパロディがあったような。
村人が雇う賞金稼ぎ達のメンバーにボスクと4-LOMがいるんだけど(同種族エイリアン、同型ドロイドかもしれない)だったら賞金稼ぎ達は全員『帝国の逆襲』に登場したあの6人の賞金稼ぎ達にするべきだったのでは。
そしたら登場した時の驚きも大きいと思うけど。
これは正史(カノン)でなく外典(レジェンズ)何だし好き勝手出来ると思うけど。
あとこまい事言うとSW世界は「神」の概念がなくてその代わりにあるのが「フォース」だって設定なので仏像や神像の類いがあるのはおかしいのでは。(演出上仕方ないけど)

『The TWINS』
この一本だけでスカイウォーカーの何とかいうゴミの100億倍素晴らしかった。
「ダークサイドに堕ちた愛する人を救う為にXウィングの先っぽに乗って〝ハイパードライブ・イデオンソード・ライトセイバー斬り〟」
このアホな超ド級必殺技をスカイウォーカーの何とかのクライマックスでどうして闇堕ちしたレイとジェダイとして覚醒したベン・ソロでやれなかったのか。

『タトゥイーン・ラプソディ』
うちの奥さんが歌手活動にも力を入れてる声優・吉野裕行氏の大ファンでして、浪川大輔氏とのユニットUncle Bombの毎年行われるコンサートに彼女のお供で僕も行ってました。
しかし言うまでもなくコロナ禍により去年今年とコンサートは中止で残念。
また二人でコンサート行きたいです(前置き終わり)
で、本作は何と吉野裕行(声)のジェダイ・パワダン少年が主人公。
歌まで唄うとは彼女も大喜びでした。
ポッドレース会場でのLIVEとは、確かにあれだけ観客が来るタトゥイーン最大の集客イベント、レースの合間にLIVE等きっと行われていたはず。
それからたとえ声とはいえ「オリジナル・キャスト」で「主役」を演じてボバ・フェットやジャバ・ザ・ハットと共演した日本人何て吉野裕行さんが初めてでは。
これは凄い事だと思うと彼女に説明しましたが「ふーん(^ω^)?」て余り伝わりませんでした。

『TO-B1』
SW×アトム
TO-B1てオビワンでありアトムのモデルの少年トビオのもじりでもあるのね。

『The elder』
恐らくは時代的にエピソード1辺り、シスはとっくに滅びたと思われ共和国末期・爛熟期の時代で銀河の辺境をパトロールするジェダイとパワダンの話し。
シスの末裔の老人が使う二刀流ライトセイバーはやや短めの長さ、形から見て日本刀の「脇差し」型。
ビームの根元がちょうど鍔みたいに広がっていて、カイロ・レンのクロスガード型と同じくビームが不安定な古代の製法で作られたライトセイバーなのでしょう。
老人の得体の知れなさと邪悪さに強さは超かっこよす。
オーソドックスかつ正統派のSW短編アニメ。

『のらうさロップと緋桜お蝶』
ある意味最もこの『ビジョン』という企画のコンセプト、日本アニメ×SWを体現してた作品。
何かすごく懐かしいな~とも思った。
明らかに今の日本のアニメじゃなくて90年代に隆盛を極めた美少女+アクション+SFのOVAをSW使ってやった感じ。
ケモナー美少女がライトセイバー持って、任侠世界を背景に擬似家族の絆と家に伝わる宝刀としてのライトセーバー。
中身はてんこ盛りである。

90年代から00年代にかけて士郎正宗の登場で一気にブームになり一ジャンルとなった美少女とメカとアクションのOVAをフォーマットとした多数の作品。
中でもそれら美少女アニメのメタ的なパロディである『プロジェクトA子』や獣人、ケモナー美少女を深夜アニメながら地上波でやった『はいぱーぽりす』等の「あの頃」のアニメをSWって世界的メジャー作品の「二次創作」しかも「公式」でやったんだから凄いと思う。
帝国に寝返った〇〇の帝国将校スタイルで三節棍エレクトロスタッフ(というそう)振るってロップとのライトセーバー戦が燃えたし萌えた。

『9人目のジェダイ』
SW一作目以前のルーカスの構想段階ではライトセーバーは使う者のフォースで色が変わるって設定だったらしい。
のちに描く予定のアナキンVSオビワンでダークサイドに囚われたアナキンの青のライトセーバーが赤く変化していく演出とか考えてたらしい。
それが時を経てアニメで実現。
フォースが弱ければ殆ど透明。
シスは赤でジェダイは青または緑。
そしてどっちか揺れてる状態は紫。
正体不明の存在によって集められた面々、そしてクローズドサークルってミステリー定番の舞台でこの導入部は可也ワクワクしたけど『薔薇の名前』みたいに一人づつ殺されて行くとか、それをやるにはとても時間が足りなかったですね。

全体としてはみんなテレビシリーズのパイロットフィルムみたいな感じで第一話だけで終わってしまった印象。
しかしアニメでSWで公式同人誌でこれだけ好き勝手やれる様になったのは、Disney+あっての事だしシーズン2も是非見たいです。
それにしてもみんな日本刀型ライトセイバー好きね。
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