いつの時代も必ず存在する青春ラブコメ枠@22年冬アニメ
主人公二人の関係性は、仕立て屋とモデル。
この関係性は、小説家と編集者、あるいは作曲家と作詞家、みたいな感じだろうか。誰かと何かを一緒に作り上げるという創造の楽しみは、この世のあらゆるもの…表現や労働にも通じる、普遍的な大テーマ。
私はコスプレ文化の知識は無かったものの、
”なぜコスプレをするのか”という大きな問に対して
劇中では中々的を得た台詞があって、とても関心した。
要約すると「好きなものに近づきたい(≒模倣したい)」という根拠なのだが、これはある種、人間の性であると思う。
子どもは幼少期にヒーローやヒロインに憧れ、
自然とごっと遊びをするものだし、これは世界共通で誰に教わるでもなく
自然発生する現象。
成人になっても尊敬する人物の言い回しや所作、実績をトレースしてみたり、自叙伝を読んだりというのも、ごく自然な行為である。これは宗教にも通じる。
好きな物=愛する物には、例え身を焼かれようとも近づきたいのが人間の本能なのかも…しれない。
そういう、人間の本質というか、いにしえからの普遍的なテーマを扱っているのに、表面的にはとてもポップで若者向けの青春ラブコメになっているから驚く。この作品を10代・20代の頃に見た人には、10年後に本作をもう一度見てほしい。きっと違った感想を抱くと思う。