品川巻

ボージャック・ホースマン シーズン6の品川巻のネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ボージャックが白髪になってからの哀愁が。。

過去の栄光にすがる虚栄心、成功を前にして感じる虚無感、愛を感じると逃げてしまう自己肯定感の低さ。彼の鬱々した内面は「ハハッ」という乾いた笑いで隠すことで何とか生き延びている。
お金も時間も名声も残っていて、前に進む理由もない。ボージャックはが過去に留まり続けるのも無理はない。

だからこそ、"6シーズン"もの時間をかけて全てをことごとく失った後に、後悔の多い過去と決別できたというのは、皮肉ながら最適なタイミングだったと思う。

笑顔と愛嬌を振り撒いていたピーナツバターが、人前で涙を抑えられないほど心が脆くなってしまった姿を見て、
昔クラスのお調子者だった子が、ある日を境に学校に来なくなってしまったのを思い出した。

あと抗うつ薬を服用してダイアンの体形が明らかに変わっても誰もからかわず、ただ抗うつ薬のメリット/デメリットを提示してくるのが自然でいい。

ピーナツバター、トッド、キャロライン、ダイアンがそれぞれ対話する構成も、"フィナーレ"っぽくて感傷的になる。
もう元の関係には戻れない者、境界線は引くけど間接的に応援する者、ずっとそばにい続ける者、それぞれの幕引きが気持ち良かった。

前を歩くボージャックは、決して私たちの背中を押すことはないけど、彼の背中を見て私達は歩みを促されるかもしれない。

「私“実は”って信じられないの。 あなたがやってることがあなたの全てだと思う」
品川巻

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