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ソマリと森の神様のANewのレビュー・感想・評価

ソマリと森の神様(2020年製作のアニメ)
3.5
人間のソマリとゴーレムの「お父さん」による旅と、旅先の町の人々との出会いを描いた作品。

ソマリとゴーレムの、姿形は違えど親子として絆を深めていく様子は感動。ゴーレムに感情はないようだが、最後にはソマリに対する親としての愛情が芽生えたように見える。
ソマリを水瀬いのり、ゴーレムを小野大輔が演じているがハマっている。水瀬いのり声がソマリの可愛らしさをより鮮明にし、小野大輔の落ち着いた優しい声が感情はないがソマリを大切に思うゴーレムにピッタリ。

本作は人間と「異形」と呼ばれる獣人や魔女などが住む世界が描かれている。かつて人間と「異形」は互いに干渉しないよう生活してきたが、人間側が「異形」を恐れ宣戦布告。結果として力に勝る「異形」側が勝利。以降人間は「異形」の奴隷あるいは食べ物となり、人間狩りなども行われた結果姿を見せなくなった。
「異形」は人間を傷つける気がないのに、姿形が異なるという理由だけで「異形」を差別し殺してきた。現実世界でも肌の色が違う、同性愛者、身分が低いなどという理由で数多くの差別をしたり、傷つけたり殺したり。

親子の絆や、種族の違いによる差別を「異形」を通して描いている本作。ソマリの可愛さとは裏腹に、かなり重たいテーマ性もあり、考えさせられる作品でした。
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