平田一

忍の一時の平田一のレビュー・感想・評価

忍の一時(2022年製作のアニメ)
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“全員、忍者――

敵か、味方か?
裏切りのどんでん返しが待ち受ける現代忍侠アクション‼”

DMM picturesと制作会社TROYCAがタッグを組んだオリジナル忍者アクションアニメーション。ある日自分が伊賀忍者正当後継者であると知った普通の高校生の激変が描かれる。シリーズ構成・脚本は「真犯人フラグ」の全話脚本を執筆した高野水登さん。

ごく普通の中学生だった櫻羽一時はある事件をきっかけとして家族の秘密を聞かされる。それは自分が伊賀忍者正当後継者であること、甲賀の里から命を狙われているということだった――。

先に言ってしまいますが、秋クールの大ハズレ。ホントここまでヒドイだなんて心底色々残念です。まず主役の櫻羽一時が本当につまらない。終盤まで覚悟の「か」の字も感じられない言動に、いざ覚悟を示したってまさに後の祭りだし、何で主役をこんな扱いにしてるんだ? 意味分からん……。おまけに甲賀と伊賀のキャラが揃いも揃ってつまらない。唯一見どころたっぷりなのが加賀時貞の設定。一時を導いてく兄貴分のようであり、汚れ仕事も請け負う覚悟を備える大人の男性と、近所にいたら絶対に憧れる人ですよ。また演じる小西さんのお芝居がカッコよく、この人の活躍だけならアニメは必見かもですね。

しかしアニメは残念ながら秋クールのワーストです。物語は結局何を描きたいのか分からないし、見当違いの恨みつらみに走るキャラが目立ちすぎ。これほどオンエア途中のアニメを「打ち切ってくれんかな……」って思ったのはオタク人生で初めてのことですね。

茶番にしたって楽しくないし、ネタアニメにすらなれない。倍速視聴を以てしても拷問のクオリティ。取り敢えず設計図たる脚本を執筆した高野水登さんの今後がちょっと心配ですかね(中身が不評だと脚本家にだいたい矛先向くからなあ)……。
平田一

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