中学生の少年・蒼月潮は、寺の住職をつとめる父親と二人暮らし。ある日、彼は自宅にある蔵の地下室で「獣の槍」によって五百年間も封じ込められていた大妖怪と出会う。槍の威力を恐れて思わず協力してしまった大妖怪は、潮に「とら」と名付けられ、行動を共にすることに。かくして「獣の槍」の伝承者となってしまった少年と、いつか彼を食ってやろうとつけ狙う大妖怪の“うしとら”コンビが誕生したのだった。そして襲いくる妖怪どもを次々と蹴散らしていく彼らは世界の存亡をかけた壮大な戦いに巻き込まれていく…。
白面の者との最終決戦が近づいていることに焦りと不安を隠しきれない潮。そんな潮は学校の帰り道、偶然に麻子と出会うがいつものようにケンカをしてしまう。いつも通りの日常が続くとは限らないと本当の気持ちに少しだけ正直になり、からかい、ふざけあう。しかし、潮の日常は唐突に終わりを告げる--。「…誰? あなた」--不意に麻子から拒絶にも等しい一言を皮切りに、不可解な出来事が潮に襲い始める。一体、潮の周りで何が起こっているのか--!?
獣の槍が砕け散るという未来を知った東西の妖の長たちが出した結論--。それは、ジエメイの血を引き、お役目としての力に目覚めた真由子を人身御供にして獣の槍をもう一度造りあげるというものだった。不思議な力に気づいた真由子は、世界のため、獣の槍の人身御供になることを決意する。しかし、真由子を失いたくない麻子は、妖の長にある提案を持ちかける…。一方、小夜と時逆から今回の一連の騒動が白面の者の陰謀によるものだと教えられた潮ととらは、急ぎ妖怪たちの本拠地・空屋敷に向かう。しかし、記憶を奪われた妖怪たちがその行く手を阻む。潮ととらは獣の槍製造を阻止し、麻子と真由子を無事救出することができるのか--!?
打倒・白面の者を果たすため、真由子・霧雄・九印は各々にできることを為そうとしている。獣の槍製造を阻止した潮は、符呪師・ヒョウと出会う。ヒョウは浄眼の力により、潮ととらの記憶を奪われていなかった。一方、とらの前には、突如とらにそっくりな妖・字伏そして強妖・紅煉が現れた。臨戦態勢の潮ととらに見向きもせず紅煉に飛び掛る字伏。そんな字伏と酷似するとら・紅煉は字伏となにか関係はあるのか…? そしてヒョウが芙玄院を訪れた目的とは一体--!?
白面の者の陰謀が暗躍し始める--。厚沢の元に唐突に謎の幽霊が訪れる。その幽霊はジエメイと名乗り、対妖怪組織の指揮官である厚沢にお願いがあるのだという。ジエメイの要望を聞き入れた厚沢は急ぎ行動を開始する…。一方、潮ととらの元には、潮たちに「面会を望む者」いるため迎えに来たと言う自衛隊員が訪れていた。面会に向かう道中、行く手を阻むかのように光覇明宗法力僧・秋葉流が立ち塞がる。流は潮にある事実を伝えに来たのだ。その内容に戸惑いを隠しきれない潮。流の真意とは果たして何なのか--。そして「面会を望む者」の正体は--!?
白面の者の策略通り、現代のお役目である潮の母・須磨子がいる海底の石柱を破壊するため動き出す厚沢率いる自衛隊。それを阻止するべく、潮ととらは対白面用移動橋頭堡・仙嶽(せんがく)に乗り込む。しかし、白面側に寝返った流が潮たちの前に立ち塞がる。流の裏切りを信じられない潮であったが、事は一刻を争う状況。流のことはとらに任せ、潮は先を目指すことに。流vsとらの対決が始まる--。そして、九死に一生を得た麻子は、命の恩人・潮を探す道中でHAMMR機関の者に出会う。そこで麻子は潮の秘密を知り、急ぎ潮の元へと向かう。潮の秘密とは一体--!?
潮は白面の者の策略から母・須磨子を救い出すため、海底にある大きな岩柱へと向かう。その洞の中で、強大な白面を目の前に、結界を張り続けている須磨子。“うしお”と優しく名を呼ぶ須磨子。温かい家族の時間が流れる。突然、二人の間を引き裂くように轟音が響き渡る。岩柱に打ち込まれる無数の魚雷。そしてとうとう結界は破れ、白面の者が…!?
白面の者復活! 白面の者復活!! …基地内に響き渡る伝令とともに、人間達に戦慄が走る。不気味な叫び声と共に海底から飛び出す白面の者!! 東・西の妖怪がそれぞれ結集し形を成した妖“火の兄”も白面の前では無残に散る。TV画面に映し出される凶悪な白面の姿とそのしもべ達、人々を恐怖が包みこんでいく一方、命を捨て白面の者と戦わねばいけないと母の口から聞かされる潮。なぜオレだけがこんな目に、みんなを奪い去っていった白面の者を強く憎む潮。潮はその憎しみだけで、白面の者に戦いを挑んでしまうのであった。
東西の大妖“火の兄”、須磨子、真由子、紫暮たちの力をもってしても白面の者を抑えこむことはできず、人々の恐怖と破壊を目的に、沖縄から本島に向かい飛び立っていく白面の者。深淵の海に沈みゆく中で、潮は夢に誘われて行く。はるか昔に生まれた、ある1人の男の物語へと。白面出生の謎が、とうとう明らかになる。
槍の破片に見せられ、全ての過去を知った潮。みんなを死なせたくない、その思いを胸に、再び立ち上がる。白面の者は各都市を破壊しながら日本列島を縦断していく。街は火の海に包まれ、巨大な台風の接近により国外に避難することも叶わない状況の中、金色の妖が白面の者の前に立ちふさがる。その頃、砕け散った槍の破片の力により、人々・あやかしたちに潮たちの記憶が戻り皆の心に希望の光が灯り始める。“潮ととら”あの二人の力があれば!
人間も、妖怪も、共に白面の者に立ち向かう。希望を持つ者たちの力が、白面の者の動きを縛っていく。皆のもつ希望、その中心には、復活した獣の槍を持つ蒼月潮がいた! 登る太陽を背に、潮は再び白面の者に戦いを挑む。その頃、東京近郊のとある邸宅の庭では、紅煉との戦いで気を失っていたヒョウが目を覚ます。宿敵紅煉にヒョウは最後の力を振り絞り戦うのであった。長く続いた復讐の人生に今終止符が打たれようとしていた。
真由子は霊体となり、白面に敗れ傷心したとらの元へ向かった。白面の者を相手に、妖怪、人間が一丸となり白面の者を結界域へ押し込むのであったが、あと一歩の所で白面の結界が消えてしまう。絶望感の潮の前に飛び込んできたのは黄金の妖、その妖の名は、とら! 二体で最強のコンビは、白面の者を結界域に封じ込めることができるか!?
結界域に封じ込められた白面の者は、身体から毒気を放ち結界域から妖怪たちを追い出す策にでるが潮ととらは鎧の力で守られる。毒気の結界内は潮ととらvs白面の者というタイマンの死闘が始まる。白面の攻撃を何度受けても立ち上がり向かっていく潮だったが、獣の槍を扱う代償である獣化が始まってしまう…!
潮ととらの前に次第に押されていく白面の者は、槍への恐怖を拭い去るため自らの目を潰し襲い掛かかる。高速で動く白面の者を倒す為にとらは自らの身体を犠牲にする秘策を潮に伝える。最終決戦に挑む2人は、果たして白面の者に勝利することができるのか! うしおととらの縁が終幕を迎えようとしていた。
中学生の少年・蒼月潮は、寺の住職をつとめる父親と二人暮らし。ある日、彼は自宅にある蔵の地下室でとんでもないものと出会ってしまう。それははるか昔、凶悪なバケモノとして民に恐れられ、「獣の槍」…
>>続きを読む(C)藤田和日郎・小学館/うしおととら製作委員会