タイトル通り勇者が死ぬのだが、まさか主人公のトウカが仕掛けていた悪魔用の罠に勝手に引っ掛かって死ぬとは思わなかったし、その後トウカが元勇者パーティのネクロマンサーをやっていたというアンリという幼女に身体を人質に取られ、魂を勇者の身体の中に入れられ、勇者のフリをしながら、復活した悪魔達を退治する旅に幼馴染のユナと共に巻き込まれる話になるとは想像もしてなかった。
そういった目新しさはあるものの、終わってみると、出オチ感、尻すぼみ感が正直拭えない。序盤は話も単純でテンポの良いギャグとかも相まって見やすいのだが、後半話のスケールが大きくなるにつれてそのギャグがテンポを崩す要因になっていたり、新しく登場したキャラの掘り下げが甘かったりで、のめり込んで見ることが出来なかった。それでもメインキャラクター達の関係性は上手く掘り下げられていたし(後半のトウカとユナの関係性のちょっとした変化とかはすごく好き)、主人公トウカの成長物語としてはよくまとまっていたので、決して悪い作品ではない。
最初はただの姑息で変態でクズな人間性のトウカだが、その人格形成にもしっかりとしたバックボーンがあり、何だかんだ誰よりも他人を思いやれる心を元々持っているというキャラ造形も主人公として深みがあって良い。ちょっとばかり変態過ぎるのはたまに傷だが、総じて好感が持てる。
基本コメディ寄りの作品なので気楽に見ることをおすすめするが、あまり気楽に見すぎると、トウカの性癖の圧に押されて、大根ニーソか裸ニーソしか印象に残らなくなるので、それだけはご注意を。