友人と全話一気見。
子供の頃何故か伊藤潤二の漫画にハマってた時期があったので懐かしい。漫画業界にも映画業界にも実はファンが多く多大な影響を与えている伊藤潤二作品、こうしてスポットライトが当たるのは嬉しいけどまさかNetflixの看板的な事になるとは・・・
1話にいきなりギャグ回を放って観客を油断させておいて、2話「アイスクリームバス」3話「首吊り気球」とトラウマ級の話を連打してくる構成の底意地の悪さよ。
伊藤潤二作品は伊藤氏の描く画の独特の禍々しい美しさ＆ユーモラスさが大きな構成要素なので、アニメ化すると作画がどうしても元の画には勝てずそれ故に原作からパワーが落ちているとは思う。それでも非常に真面目に映像化されていて、作り手の原作への理解と愛がよく分かる。話によってモノクロにしたりアスペクト比をスタンダードやシネスコにしたりと映像的な工夫もあり、声優陣も皆巧い。作画クオリティがあんまり安定してないのはまあ仕方ない。
いくつかの話について。
・「首吊り気球」
遂に来た「首吊り気球」初アニメ化！（実は実写版が昔作られたので初映像化ではない。皆さんご覧になっただろうか？あの根津甚八さんがショットガンを乱射する実写映画版を・・）。今回の「首吊り気球」に関しては首吊り気球をCGにしたのは大正解。無機質な不気味さが出ていて良い。例のプシューに関してはなんなら原作よりグロくなっている。忘れ難い原作ラストのコマをどう映像化するのかなと思っていたら、上手く映像的なフレームに変換されていて良かった。
・「屋根裏の長い髪」
読んでいない話だったのだけど、前半の心理描写が良かった。
・「蔵書幻影」
梶裕貴の独壇場、熱演をとくとお聴きあれ。
・「墓標の町」
シネスコで演出も更に気合の入った回。丁寧に映像化してくれて感謝。本当に最悪な気持ちになる回です。
・「恐怖の重層」
ほんと伊藤潤二って発想が天才的だな！と改めて実感する話。そして一番のトラウマ回です。これ映像にしちゃダメだよ！！
・「富江・写真」
富江はやはりキャッチーなモチーフ。主人公やイカれる人のあまりに事態が異常すぎて一周回ってニュートラルになったテンションが好き。ラストの主人公のテンションが最高だと思う。富江の声もぴったり、あと杉田智和が遊んでます。
・「首のない彫刻」
作画が荒い感じはありますが、クライマックスのあれがあれを奪い合ってる画ヅラがちゃんと地獄です。夢に出そう
・「耳擦りする女」
今シリーズ１番の傑作回。この話好きです。日本語字幕を出して鑑賞する事を推奨します。映像作品として見事に完成されていて、ラストの切れ味も抜群。主役2人のアップになると急に作画クオリティが爆上がりしてほぼ伊藤潤二画が再現できてるのも素晴らしいです。
そしてまさかのCV中川翔子！！！上手すぎる・・
・「双一の愛玩動物」
猫が好きな伊藤潤二の作品を猫の回で終わらせるのは大変正しい。実は猫を飼うという事の真理をある意味突いていると思う、ただ可愛いだけではない猫の面倒で悪い部分、でもそれも含めて猫だよと。
ギャグ回で始まりギャグ回で終わる、お後がよろしいようで。
ところで別スタジオの話ですが「うずまき」のアニメ版っていつ公開されるんですかね・・・
