どうたく66

Dr.STONE 第2期のどうたく66のネタバレレビュー・内容・結末

Dr.STONE 第2期(2021年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この漫画を観て理科の実験や化学、科学に興味を持つ子供が増えたら素晴らしいことだし。おそらく増えるでしょう。内容は素晴らしい。困難を克服していく冒険ものとしてもいい。

世の中を浄化しようとする司。これは民族浄化やナチの優勢思想につながるような危ない発想。それに対して全員を目覚めさせる方向を選ぶ千空。この思考は安心だが千空の思想があまりに科学第一主義、経験第一主義なのはちょっと気になる。

科学で説明しきれないものも含めたもので出来ているのが人間社会だから。あと司を刺した人物を捕まえたときに千空が「法律とか興味ねえ」みたいな発言をしているのも気になる。社会のシステムをどうデザインするか、社会がどう回っているかの理解なしに村長はじめ共同体の長って出来ないものだから。

原発もそうだが、技術はどこまで行っても全員が納得す決着が出来ないものがあり。そのリスクをどう社会で許容するかは共同体での話し合いが必要。その話し合いは科学者、ファシリテーター、一般住民もまじえたものでなければ共同体的なコンセンサスが出来ない。そういう視点が全く抜け落ちているところにすごい不安を感じる漫画ではある。

司の思考の中に若者の上の世代に対する怒りが込められている。『進撃の巨人』でも前の世代に対する明確な怒りがあった。これが大衆漫画で表現されることは大変いいこと。若者がこう感じているという事実は私も含めた年長者は良く認識したほうがいいだろう。

ところで最初の方はタイジュが主人公で千空じゃなかったよね。司の陣営へ行ったタイジュと仲間を探す千空と別の道へ進んだところから千空が主人公になっちゃった。
どうたく66

どうたく66