平田一

アルスの巨獣の平田一のレビュー・感想・評価

アルスの巨獣(2023年製作のアニメ)
2.7
“審判の時――”

「ブルーピリオド」などの DMM. com×「天地創造デザイン部」などの旭プロダクションによる、異世界で繰り広げられるオリジナルアニメーション。甚大な被害をもたらす「巨獣」が蔓延する世界で、世界の謎に立ち向かってく旅の仲間が描かれる。シリーズ構成・脚本は「がっこうぐらし!」や「彼方のアストラ」などの海法紀光さん。キャラクター原案は同人作家として活躍し、現在はイラストレーターとして主に活動中のドリームキャスト用ソフト『北へ。』の大槍葦人さん。

「巨獣」が蔓延する世界。
「20と2番目のクウミ」は生まれて初めて外の世界へと追手から逃げていき「死にぞこないのジイロ」という「ナギモリ」と出会う。やがて二人は「猫かぶりのミャア」や「はやとちりのメラン」「七草のロマーナ」という仲間たちと出会っていく。

その先に待ち受ける「アルス」の秘密とは何かーー?

先に言うと、ダークホースになって欲しい作品でした。設定の面白さ、世界観の魅力とか、素材自体はメチャクチャ豊かなのが感じられました。キャラクターに関しても「猫かぶりのミャア」とか「はやとちりのメラン」とか名前だけで面白そうな予感が感じられますし、実際二人と「何よりも白いトオカ」は良かったです。特に第7話におけるジイロとトオカのお話は不覚にも感動が押し寄せてきましたし、今後が楽しみな推し声優の青耶木さんも良かったです!

ところが尺にまるでどころか全然収まらない展開、ブン投げてるだけなラスト、中途半端な幕引きと、一体これに何を感じ、楽しめって言うんです? 加えて作画にパンチがなくて、バトルの迫力減退ですし、どんどんガス欠じみてるように感じるばっかりでしたね。

憶測ですが「ガリレイドンナ」や「星合の空」のように元々は2クール用に企画の内容を、諸般の事情で1クールに縮めてしまったのかも(「星合~」に関しては現在も続編の実現に尽力しているようです)……そうじゃなきゃあんな半端な幕引きってないですよ……。

結論は本当に勿体無い作品です。大化けする可能性もあったように思えますし、オリジナルTVアニメの難しさを感じます……。
平田一

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