時折フィルムサイズのメリハリと、カラフルポップなテイストが楽しい画面の作品だった。
無法の解放感もさることながら、主人公のフィジカルとバイタリティがぐんぐんと物語を引っ張っていくのが気持ちよかった。
突飛な設定とコミカルな作風でありつつ、過去の清算や動機のしっかりしたコメディキャラなど、シリアスがナチュラルに取り入れられているような感触だった。
あとスクリームと大きく歪む顔面も比較的きちんと描写されていてよき。
ただ後半夢探しとありがちな群像劇に落ち着いてしまった印象だったので、もっと序盤のような映画ネタにまつわるサメ要素などの細かな展開ごとを楽しみたいなと思った。
ともあれ作り切ってくれてよかった。