宇宙人やら未来人が横行する非日常を求めるハルヒが何気ない日常の魅力に気付いていく。SF要素の多い序盤から徐々に学園もの(青春)へと変化していくと同時に、傍若無人であったハルヒは徐々に人間性を獲得していく。
現代では考えられないハラスメントが多いため、視聴に耐えない描写は多々あるのだが、鬱屈としたロボット作品が多かった深夜アニメを打破した革新性、キャッチーなテーマソングたち、魅力的なキャラデザなど当時の革命だったに違いない。今となってはインスパイアされた作品も多く、コンプラも意識されているため、良くも悪くも時代性を切り取った古典作品ではある。
そもそもニッチなコミュニティにウケるために制作されたかもしれないものが、近年ではアニメ文化が一般的となり、現代人が観たら粗の目立つ作品に映るのかもしれない。当時の動画サービスやインターネットの普及と相関があるのは興味深い。
内容は荒唐無稽でもう少しルールを設けてほしいし、登場人物の誰にも感情移入できないし、SOS団は不健全な組織で辛さが上回るため、内容は好みではないのだがコンテンツには惹かれるという現象が起きている。