ねっしー

ビッグオーダーのねっしーのレビュー・感想・評価

ビッグオーダー(2016年製作のアニメ)
2.2
行動原理に愛を置くと作者には便利そう。
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作風やキャラ造形が『未来日記』みたい、と思ったら作者さんが同じなんですね。

私は本作も『未来日記』もなんとなく好きになれません。
原作者さんの好みでやっていると思うので、それは良いのですが、大衆受けはしなそうです。

主に残念な点は
・対立するための対立が多い
・色々中途半端で見たいものを見せてくれない(本気での感情の交流が見えてこない)
・描写不足で論理的には正しくなくても譲れないという心理に共感できない
・歪なキャラ造形を愛するまでの時間と魅力を視聴者に与えてないので、登場人物が愛に盛り上がっていても「ほーん」としか感じない

いずれも心理面が優位な設定・シナリオなのに、バトル展開とサイコ(っぽい)演出を多めに描いているのが理由だと思います。

そしてサイコ(っぽい)の部分が、だいたい<愛>を理由に行動しています。

○○に愛してほしくて、○○を愛しているから、愛を受けたことがないの、どれも発言者の自己愛の表出にしか聞こえません。

そして、その時に選びうる多くの選択肢から60点の選択肢を選びます。

これでどう共感すればいいのか分かりません。

でも、不合理な行動も愛を理由にすれば一応の理を通せる。愛って作者には都合のいいツールですね。

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声優さんのキャスティングも悪いです。

耳に残る声質が多すぎです。
どのキャラも癖があるからそういう声質のキャスティングをしているのでしょうが、多すぎるとクドいです。

特に気になるのは弁慶(立木冬彦さん)と妹(久野美咲さん)です。

本作の立木さんの演技はマダオよりもゲンドウに近い感じです。イケイケです。

でも、演じるキャラが必要のない準レギュです。

時々出てくるたびに、お、重要な発言入るのか?と思わされては、全然いらないコメントで期待外れに感じてしまいます。

印象が強いために却って悪い印象に強く残ってしまいました。
(もともと立木さんの声が好きなのもあるかもしれませんが…笑)


久野さんは妹の幼い感じを出すためのキャスティングなのでしょう。

ですが、妹のキャラが色々と変化し、強情でウザい場面も多いです。

そこに久野さんの声が相まって一人だけでも、かなり諄いです。

佐藤聡美さんや早見沙織さんのようなスッキリとした声質の声優さんだとバランスが取れた気がします。
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