いめーじ

ID:INVADED イド:インヴェイデッドのいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

連続殺人鬼の殺意から作られた世界(イド)に入って謎を解く名探偵、そして黒幕の連続殺人鬼メーカー…耳にしただけで最高と分かる設定だ。
『ザ・セル』『デジャヴ』『ミッション:8ミニッツ』『インセプション』『ハンニバル(TVドラマ)』みたいな作品の良いとこ取り。OPとEDもGood。
でもSFな要素よりも素晴らしいものがある。それは死体だ。イドが形成されるとデフォルトで配置されるカエルちゃんという名の美少女の死体だ。黒髪ロングで緑目で白ワンピースだ。名前の由来は井の中の蛙などからきているのだろう。1話を観た時に一番心を惹かれたのは間違いなくカエルちゃんの刺殺体だった。それと生脚。後に出てくるバラバラのカエルちゃんも、銃で胸を撃たれたカエルちゃんも、浮いてるカエルちゃんも、大量出血で肌が暗めになったカエルちゃんも、落雷が直撃したカエルちゃんも、砂漠で死んでるカエルちゃんも素晴らしかった。焼死体だけは残念だったよ。

もちろん本体の飛鳥井さんも超絶最高。
常にグロッキーでかわいいし、夢の中で殺人鬼の殺意を理不尽に押し付けられ続ける体質が本当に酷くてメチャクチャ興奮した。こんなに好みの女はそうそういないよ。ベストガール。
俺のPCにはカエルちゃんと飛鳥井木記の専用フォルダがあるんだ。マジで妄執に囚われた。
本編では殺人鬼の衝動から性欲を排除したような描き方になっていたと思うけど、実際はあんなことやこんなこともされてるんじゃないのかと…想像を膨らませては怒りと哀しみと興奮で頭がグチャグチャになってしまう。
本当にごめんなさい。

鳴瓢と酒井戸は設定も性格もキャラデザも超良い主人公。イドの過去編はマジで大好物。酒井戸は名探偵だが言ってしまえば名探偵でしかない。犠牲者として出現するカエルちゃんがいなければ彼の存在に意味はない。助けたいという意志すら思い出せない。最高…。

富久田の活躍は本当にズルかった。額に穴開けたのってアロノフスキーの『π』じゃん。本堂町が自分の穴を受け入れたように、自分が気付いていなかったバラバラの世界を認めて(もらって)穴を埋めたかったのかもしれない。

本堂町はかわいいけど底知れないネジの飛び方してるバランスがおもしろい。
富久田の好きな数字の「3」って欠けてる感が凄くて、本堂町は「8」が好きそうだな~と思ったり。
額の穴や心の穴にしろ、何かが欠けているとか未完成の者が答えを探す物語だったのかなと思う。あの3人の人殺しの関係性は本当に奇妙で、美しいほどに不完全。

作画は全体的に安定しており、画と演出も細部まで見応えあって、MIYAVIの挿入歌も盛り上がる。視聴者を置いてけぼりにする情報量は慣れれば気持ちいい。

まぁ気に入らないところも少しはある。
10話の回想シーンは挿入歌がビミョーで残念だった。
推理モノだけど突然どんでん返しが起こってもおかしくない作風だから、どうせ後で明かされるんだろと冷静になっちゃって、観ている間は考える気にならない。難しいというよりはめんどくさい。結末から作っているような感覚が強かった。犯罪心理や世界設定を曖昧に描いてもファンが考えてくれるだろ的なやつに嵌められてる感覚があるっちゃあるし、過剰な解釈に至るしかない部分が多い。

それでもやっぱり、時間を使って考える価値は十分にあると思える作品。ボーッと観ていてもハデにエンタメやってるので楽しめちゃうのだ。カエルちゃんの存在だけで満点の傑作。