チーズ

Fate/Zero 1stシーズンのチーズのネタバレレビュー・内容・結末

Fate/Zero 1stシーズン(2011年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

staynight のネタバレも若干含む。

あまりにも面白くてアマプラで一気見してしまった。
fateの様々なルールや設定、キャラクターなどについても全く何も知らなくても楽しめる内容だった。けれど総じて救われない話だった。みんながあれほど求めてた聖杯ってなんだったんだろう…もし仮にウェイバーたちが勝利していて、彼が言っていた通り背丈を伸ばしてくれって願ったら本当にただ背丈を伸ばすだけで済んだんだろうか。怖すぎる。

たくさん登場するキャラクターがそれぞれの信念や理念に基づいて行動するため、戦局がどんどん複雑化していくけれど、小難しいことはなく、かといってシンプルでもなくストーリーも画自体もとても見応えがあるアニメだった。

もしこのマスターに召喚されたのがまた別のサーヴァントだったらどうなっていただろうとか、考えるのが楽しい。

特にライダーとウェイバーの関係性が本当に良かった。ライダーの物怖じしない大胆な性格とウェイバーの臆病で卑屈な性格がうまく?マッチしていて、ライダーの行動や言動にどんどん感化されて勇敢になっていく、気持ちが変化していくウェイバーの様子を見ているのが楽しかった。ウェイバーもただ一方的に守られていたりするわけではなく、自分にもできることを精一杯努力していて、ものすごく良いコンビの二人だった。

切嗣のあの聖杯からの問いかけは最大多数の最大幸福と通ずるものがあると思う。けれどいざ大事な家族と人類を天秤にかけることになっても、自分の最愛の家族より多数の人々を救う道を選ぶ切嗣は、多くの人類が救われることが幸福だと信じその道を選択しているわけではなく、多くの人を助ける為に犠牲になった人、自分のこれまでの判断やこれまでの戦いで自分の信念を信じてくれた人たちを否定することにならない為にも、そう選択せざるを得なかった、のだと思う。だけどそれを続ければ続けるほどかつての自分が夢描いた正義の味方からはほど遠くなっていくばかりで、けれどもう後戻りできる立場にいないという葛藤が本当に見ていて苦しかった。こういうのは正解があるものでは無いので、抱え込んで自分の中でひたすら後悔と諦めと信念をぶつけ続けて擦り切れいくばかりになってしまう。そうして信じてきた願いも叶えられず、大切な人ばかり周りからいなくなりボロボロになった切嗣にとって、士郎は本当に光だったと思う。後にその士郎まで聖杯戦争に参加することになることを知ってしまったら、イリヤのこともあるし切嗣はどう思うんだろう。だいぶ昔にstaynightの方を先に視聴していたけど、もう切嗣は居なかったし彼の反応がすごく気になるところ。 ゼロを視聴した後にstay nightを観た方がより話の流れを楽しめるんじゃないかと感じた。

そういえばウェイバーの数十年後が描かれているロードエルメロイの事件簿も以前見ていたけれど、あのウェイバー青年のことを何も知らずに見ていたので、もう一度視聴し直してみようかと思う。
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