このレビューはネタバレを含みます
雰囲気は良いから、だまされそうになるけど案外キャラが薄い気がする。出来事をフラッシュ的に見させられていた感覚。
話数が少ないからなのかもしれないが、登場人物の行動のきっかけが分かるような描写が少なすぎるように感じる。少なくとも、17年(5歳でアテネ計画に参加したとしても12年)も共に暮らし、共に計画を立てていたはずのツエルブが、たかが数か月前に学校で出会ったリサの為にナインに対して「もう手を引かない?」と持ち掛けたのはちょっと...と思ってしまった。「自分たちが生きていた証を残したい」という目的が「自分たちが生きていた証をリサに見出してほしい」というところまでいきついたのかも?だとしても、「共感覚で声が薄い黄色をしている」というだけでは根拠の方が薄すぎる。ツエルブがリサに惹かれた理由が分かる描写がもう少しあればなんか違ったかも。
それとも、自分たちの行動のせいで人が死んでしまうのが怖くなったか?そうだとしても、そんな描写なかったよな。
ハイヴはハイヴでナインに固執する理由が「ナインとの勝負に勝ちたかった」みたいなことを言っていたけれど、セリフで言っていただけなのでなんとも実感しづらい。電車、空港、観覧車の場面を全体的にみてみても、ハイヴは部下に命令しているシゴデキ感を出しているのに対しナインは汗水たらして走り回っているのもあってか、ハイヴの方がナインよりも強キャラ感が出てしまっていて、そのセリフにすら矛盾を感じてしまう。
話数が足りないのなら、どっちかを消して、空いた分を他のキャラの深掘りに回した方が、視聴者側もキャラに感情移入できたんじゃないかなと思う。
ストーリーとか作品テーマ、世界観は好きです。