平田一

理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθの平田一のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

メチャクチャ面白かった!

山本アリフレッドさんのWeb漫画を原作とした、理系ドタバタラブコメアニメ、待望の第二期目!

今回は常識人枠、奏ちゃんのトラウマと現代に蔓延ってる「普通」を突いたお話に。何でああまで奏ちゃんが普通を妄執してるのか、そこから話は多様性とジェンダーのあり方へ!

1期はとにかくサプライズと言っていいほど面白くって、ああまでラブコメにハマれるとは思わなくって最高だったが、2期はさらに深いテーマや議論を呼ぶ主題を置いて、1期以上に革新性とサプライズの連続に!

主なテーマは、

「ジェンダー」
「病んだ普通」
「多様性」
「アイデンティティー」

2期は特に二番目をかなり巧みに突きました。

奏ちゃんの普通に対する妄執同然の執着は村社会たる日本を始め、万国共通案件ですし、平たく言えば波風を立てるな、ってことですが、そこに静かに異議を言うのがマジでカッコ良かったです!

そもそも「普通」を考え無しに人はあまりに使いすぎて、結果それが相手を蝕む呪いになっちゃうこともある。悪気どころか悪いことだと分かってないのがリアルですし、そこに一石投じるところがとにかく鮮やかでしたね✨

後半の奏ちゃんはまさに「普通」の殻に籠り、次第に本音と建前が制御不能になってしまう。結果、とある場面において大きなツケを招いてしまう。このあたりはかなり苦しく、胸がズキズキしましたね。

1期の時の奏ちゃんはただただ可愛い女子なんですが、ここでは非常にタイムリーな(普通という憶測だらけの)病に依存をしすぎていて、場面に置いては醜い側面表していましたね。だからこそ殻を破ったラストを経てのアレにはもう、納得ですし、可愛いですし、ますます3期が見たいです( ≧∀≦)ノ

サブプロットではありますが、初登場の女子高生ギャル、神楽野春ちゃんも然り。優秀なお父さんから常に見下されていて、元々苦手な勉強をさらにもっと避けている。ここでも根拠がまったく無いのに、相手のことを決めつけて、言われた側もそうだと決めつけ、可能性を狭めてく。このパートもホント見ていて、鳥肌思わず出ましたね!

今述べた二つのことをお馴染みの理系メンバー、特にクライマックスでは雪村君が立ち向かう。最早その展開はさながらヒーロー映画級w あのブラフを噛ました時の雪村君もカッコ良すぎ✨

あとそうだ。

是非ともこれは本編を見てほしいが、第8話のキンゼイのパート、非常に斬新です!アニメ見て生まれて初めて救われた気分になったし、このテーマ、これからもっと議論に是非とも挙げてほしい!!

まとめると1期を遥かに凌駕した傑作です!エスタブライフ、恋せか(「恋は世界征服のあとで」)同様、必見のサプライズ!!!
平田一

平田一