万田邦敏『県境』
女子高生キラキラドラマと侮ってはいけない。ロメール『レネットとミラベル』に始まり『緑の光線』へと繋がる。全く映画的ではないはずのガラケーでなければ為されぬ遠距離操作がテレビドラマに収まらぬ映画的光景へと変わる。その危うさをすり抜けて活劇化させる万田と小出豊の共謀。
古厩智之『近くて遠い恋』/『お引越し』
『お引越し』の極めてデタラメ且つ大胆に動き回る少女の素晴らしさ!
恋愛ドラマの体を装ったスパイものへと姿を変えるのだが、なんともこのスパイになりきれぬ少女の取る体育会系的なアクションが娯楽コメディとして楽しませてくれる。