贖罪の奏鳴曲のルサチマのレビュー・感想・評価

再見。テレビドラマとは思えぬ豊かな屋外ロケーションと長回しの撮影、冒頭の暗闇で降り注ぐ大雨など、芳醇な画面が4話分にわたって持続するので度肝を抜かれる。どの役者も素晴らしいが、菅田俊の引き出し方が斜め上をいっていてとことん危うく、魅力的。屋内の法廷や面会場での閉鎖的空間では当然ながらカット割の質感が変わり、フォードさながらロケセットに不相応な装置まで導入することで見る/見られる関係の簡素な近代的空間の中に突如中心点が設計される。この飛躍のさせ方も見事。メイキング映像も感動的。