決して、毎話ヒリヒリするような緊張感があるわけでも、ハラハラするような大展開があるわけでもなかったですが、「人を魅せる」という演出がとても丁寧だったなと感じました。
歴史の教科書などで知っている出来事が多く、もっと盛り上がる場面が多く作れたと思うのに、大きな戦は案外あっさりと終わった印象で、その後の「どうする」に、焦点が当てられていた気がするので、分かりやすく戦！血！みたいなのが好きな人は、物足りないかなと。個人的に、本能寺の変と大坂の陣はもっと色濃く描くと思っていて、そこもあっさりとしていたので、全体的に優しく穏やかで、丸みがある大河でした。
でも、その丸さに良い意味で鋭さを出してくれたのが、ムロさん演じる秀吉で、段々と頭角を現していき、望むものを全て手に入れようとしていく貪欲さと、最後まで本心が分からず掴めない雰囲気は、とても良かったです…！
大河はこの作品に限らずですが、見知った俳優さんの演技力に再度感動させられたり、知らない俳優さんの魅力に触れるきっかけになると思っていて、今作は人を魅せることに長けている作品だったので、それらを感じる瞬間が多くあって、そこは嬉しい誤算でした。
