サンタフェ

イエロージャケッツ シーズン1のサンタフェのレビュー・感想・評価

4.1
過去パートだけやってほしい。

イエローストーンと並んで勝手に「人気イエローシリーズ」として認識していた本作ですが、評価に違わず面白かったです。

全体的にかなりクオリティが高く感じられ、特にOPとEDを含む音楽の使い方が素晴らしかったですね。

また近年はNetflixもHBOもなんだかんだで直接的なゴア描写を避けている作風が増えている中、久々に直球でゴア描写を入れ「気持ち悪いシーンは本当に気持ち悪い」というアクセル全開さが良かったです。ゲーム・オブ・スローンズやハンニバルが流行っていた頃の「いかにコンプラに対抗してギリギリを攻めるか」みたいな2010年代の海外ドラマの雰囲気を思い出し懐かしかったです。

一方で、どうしても「過去編だけ観たいな〜」と感じてしまったのも事実で、細部のクオリティが高いだけに現代編と過去編を並行するプロットの意義は感じられませんでした。

というか、本作の細かい構成や脚本に不満があるとかではなく、根本的に「メインストーリーが過去パートの作品に現代パートを挟む」構成が無理筋なのでは…?と感じてしまったんですよね。

現代パートで謎に迫るタイミングで過去パートを挟むのは真相が明らかになるカタルシスが増すので効果的ですが(広義でミステリなどもそう)、今回は過去パートがメインストーリーなので現代パートはネタバレな上に完全に新規の関係ないストーリー追加なのであまり興味も持てません。特に1話序盤でおおよその結末まで見せてしまっているので、正直早くそこまで行く過程を見せてほしかったですね。だって過去編単体で十分にかなり面白いんですもん。

ドラマなので人気が出たら複数シーズンを展開すると思いますが、現代パートと並行してしまっている以上ゴールが決まってしまっているので、ひたすらゴールまで到達する過程を引き伸ばすしかなくなってしまうんじゃないかという不都合も感じます。

と、ちょっと根本プロットのもったいなさも感じた作品でしたが、出来そのものはよく、とても楽しく鑑賞できました!シーズン2も楽しみです!

その他 感想を箇条書き

・ターゲット視聴者のためなのか、ちょっと「かつての青春」と「中年になった私たち」みたいなノスタルジー演出が多すぎてキツかった時もありました。そもそも90年代舞台の過去編がメインストーリーなので、ストレンジャー・シングスくらいのノスタルジー感でよかったのでは…

・私はいわゆるザ・ガールズドラマみたいなのはあまり得意じゃないんですが、地味に女子の集まりというプロットの割にかなりその辺りのノイズがなかったのが作りのうまさを感じました。終盤でジャッキー周りは少しありましたが。それでいてデスカミングパーティーとかの華やかさもよかったですしね。サッカーチームという体育会系集団だからかな
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