daiyuuki

グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.6
本作はシリーズ累計発行部数8500万部突破の国民的格闘漫画『グラップラー刃牙』(板垣恵介著/秋田書店)を人生で初めて読んだBL(ボーイズラブ)研究家の金田淳子が「この作品、濃厚BLなのでは?」と発想したことから生まれた規格外エッセイ「『グラップラー刃牙』はBLではないかと1日30時間300日考えた乙女の記録ッッ」(金田淳子著/河出書房新社)が原案。

主演・松本穂香が「グラップラー刃牙」に登場する格闘家たちの肉体や言動からBLの可能性を見いだし1日30時間妄想する腐女子の児島あかねを演じる。
児島あかねは、表向きは文具メーカーの有能なOLだが、裏では漫画のキャラ同士の関係をBLとして妄想する腐女子。
大人気格闘漫画「グラップラー刃牙」にハマり、キャラ同士の対立と戦いの奥にある濃厚な友情を愛と妄想し「グラップラー刃牙はBL」と確信するようになる。
だが、後輩に片想いされたり、文具開発のプレゼンに悩み、腐女子を学生時代に暴露された学生時代の腐れ縁にイライラしながらも、強くなる成長を描く。
あかねと友人のBLトークのわちゃわちゃ感の楽しさとリアル感、あかねがグラップラー刃牙のキャラ同士の戦いと関係の濃厚な友情からあかねの苦手な三次元に向き合う強さを身につける青春コメディとしても楽しめる。
戦いを挑むのも愛するのもベクトルは違っても、相手を求めるのは同じ。
刃牙の首を狙うライバルと刃牙、ドイルと克己や柳と渋川やドリアンと独歩の戦いと濃厚な関係などに、BLやブロマンスを妄想するBLトークは、原作ファンに分かりにくかった「何故ドイルが克己に敗北を認めたか?」などを理解する手がかりになる説得力があるし、松本穂香のハマり具合も良くユニークな青春コメディドラマ。
「ここに宣言します。グラップラー刃牙は愛を描くBLであると」
daiyuuki

daiyuuki