どらどら

しかたなかったと言うてはいかんのですのどらどらのレビュー・感想・評価

5.0
「日本の戦時における加害を描く」という、古くて新しい問題。歴史修正主義の自称愛国者の連中のおかげでますます困難になっているそのテーマに真っ向から挑んだNHKにあっぱれ。

「しかたがなかったと言うてはいかん」
韓国併合も、満州国建国も、真珠湾攻撃も、戦争で起きたあらゆる惨事(特攻隊、餓死、従軍慰安婦、徴用工、沖縄戦etc)も、すべて「しかたがなかった」といいたがる浅薄な人間たちがこの国の舵取りを担っていると言う悲劇的な状況ですが、だからこそこのドラマにはものすごく価値があると思う。

「九州大学生体解剖事件 70年目の真実」という、本作で妻夫木聡さんが演じた助教授の姪の方が事実関係をまとめた本があって、それが元になったドラマなので、事実関係は極めて正しいです。このドラマで興味を持った方はそれを読むといいと思います。

この事件を扱った作品では遠藤周作の”海と毒薬”が有名ですが、あちらの方がフィクション的で、だからこそより示唆的であったりはするのですが、正確に何があったか知ることもとても大切だと思います。
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