このレビューはネタバレを含みます
原作はジェームズ・クラベルによる1975年の同名小説。脚本には「トップガン マーヴェリック」にも携わったジャスティン・マークスも。今作では真田広之さんが主演とプロデューサーを兼任している。
全体を通し、ここまで綿密に封建時代の日本文化を映像化した海外作品は類を見ないのでは。何より日本的でスリリングと感じたのは、本音と建前、腹の探り合いによる内なる攻防。
更に視聴者が按針の目線を借りることで、より強調されるJapanの異様さも良く表現されていたと思います。まさにその典型で、最初は嫌悪感さえ感じた藪重、央海、広勝の印象も回を重ねる毎、魅力的に変化していきました。
特に西岡徳馬さん演じる戸田広松は虎永と語らずとも通ずる関係性が良く表現されていたので、最期の展開には痺れました。そして虎永が広松の事を“我が古き友は…”と言い直し言葉を詰まらせる場面にはもらい泣き😢
関ヶ原に向かう壮大なラストを想像していたけれど、物語序盤から少しづつ変化する按針と藤、虎永と藪重、鞠子と落ち葉の方など各人の関係性に重点を置いた纏め方でしたね。
日の本のこれからを大局的に見つめる吉井虎永と、国内ではなくハリウッドでこの作品を完成させる意義、日本人若手俳優のフックアップを視野に入れるなど真田広之さんの働きは役としても志としても重なる部分。本当に敬服しかない。