回想シーンでご飯3杯いける

SHOGUN 将軍の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

SHOGUN 将軍(2024年製作のドラマ)
3.7
西暦1600年の伊豆と大坂が舞台。関ケ原の戦いがあった年なので、真田広之が演じる武将、⻁永が誰をモチーフにしているのか、日本人であれば、ある程度想像がつくはず。

ジェームズ・クラヴェルの1975年の小説を原作とし、真田広之がプロデュースと主演を務める本作は、アメリカでも記録的なヒットになっているそう。日本でも配信開始当初は、リアルな日本の描写が絶賛されていたが、日本に漂着したイギリスの船乗りの視点で描かれる本作なので、まあ当然の流れであるが、中盤以降は海外から見た日本人の不可解な武士道の精神に対する興味と批判的な視線を軸にしながら物語が進む。

その不思議の国「日本」を象徴するかのように登場するのが腹切りと生首だ。配信ドラマだからこそ描けるグロテスクなシーンが何度も登場する。

そして、強く印象に残るのは歴史を動かした女性達の逞しさである。アメリカを拠点に活動するアンナ・サワイと、日本人にはお馴染みの二階堂ふみの、静かでありながら強い意志を感じさせる演技は非常に見応えがある。

一般庶民の描写が一切ない為、武将達が領地の何にこだわり、何を守ろうとしていたのかが、全く分からない。ドラマとして今ひとつ熱中できなかったのは、そこが原因だったように思う。