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ダブル・ファンタジーのAのレビュー・感想・評価

ダブル・ファンタジー(2018年製作のドラマ)
2.7
周りにいくらでも男がいるようで、いない。どこまでも自由なことは、こんなにも寂しいことだったのか。

割り切ったセックスなんて、いくらでもできるはずなのに、ちゃんと考えて、ちゃんと損なわれて、とても苦しそうだなと思った。
「抱くか」「抱かれる」かって、どうやって決まるんだろう。

厳しすぎる母に育てられ萎縮し続けていた奈津は、本来ならば家族から与えられるであろう無性の愛情のようなものを求め続けていたように思う。
「人は女に生まれるのではない。女になるのだ。」という一節のとおり、奈津は“母”になりたかったのではなく、愛する男から必要とされる“女”になりたかったのだろう。

「内容がない」「何を伝えたいのか分からない」という感想が見受けられるけど、本作の大部分を占める題材である“不倫”そのものが、リスクはあれどメリットはないようなものであり、結果として何も残らなかったと後悔するような行動なのだから、そりゃあオチも何もないのでは…という気持ち。何も起きないというのは、ある意味リアル。
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