2023年7月現在も仮面ライダーシリーズと共にニチアサで放映され続けているスーパー戦隊シリーズの記念すべき一作目。
元はテレビ局の都合により仮面ライダーアマゾンが早期に終了し、次回作(仮面ライダーストロンガー)も決まってはいたが、仮面ライダーというコンテンツに陰りを感じ始めたテレビ業界が、仮面ライダーに並行し検討された作品でした。
そのため、放映開始時期はストロンガーと同じ1975年4月と、仮面ライダーより数年若いですが、そこからほぼ途切れることなく毎年新しい戦隊ヒーローが作られ続けているため、仮面ライダーより多くシリーズが作られたコンテンツとなっています。
放映開始早々に子供を中心とした幅広い人気を得て、マンネリ化を防ぐための番組チェンジまで約二年、全84話放映されました。
悪の組織『黒十字軍』を倒すため、秘密組織イーグル所属の5人の戦士が、特別な秘密戦隊ゴレンジャーを結成、悪と戦う展開です。
石ノ森ヒーローですが、ゴレンジャーは強靭な精神力によりゴレンジャーへのチェンジを可能としており、敵と同じ力を持っているわけではないです。
日本各地のイーグル支部の生き残りであるという設定ですが、つらい過去を背負って戦っているわけでもなく、非常にシンプルでわかりやすいです。
明確に正義vs悪で、黒十字軍は世界征服を企んでいるだけあって極悪非道です。
罪のない人を虐殺し、平和な街を爆撃し、人をさらって改造したりする、許すことのできない"悪の組織"なわけですが、ゴレンジャーは敵も味方もとてもコミカルであるという特徴があります。
回路が故障した赤面仮面はキレンジャーと仲良くなり、野球仮面は手下の戦闘員とチームを組んでいました。
仲間同士も、アオとキがすごく仲が良さそうなやり取りをしていて見ていてほっこりします。
シリアスになりすぎなかったというのも、本作が子供に見やすかった要因だったのではと思います。
ゴレンジャーのメンバーは5人で、それぞれが個性的な主役として設定されています。
冷静で統率力のあるリーダーのアカレンジャー、クールでマシンの操縦に長けているアオレンジャー、"戦隊で黄色といえばカレー"を現在まで印象付けた、おとぼけキャラだが熱い展開も多いキレンジャー、爆弾のスペシャリストの紅一点モモレンジャー、メンバー最年少でアクロバティックな動きを得意とするミドレンジャー。
この5人のチームはまさにレジェンドで、毎話誰が出ても頼もしさを感じます。
ただキレンジャーだけは、途中、中の人が多忙になりバトンタッチします。
二代目キレンジャーもキャラクターをつかもうと努力していた感じはありましたが、やはりだみ声で『おどば阿蘇山たい!』と叫びながら暴れる初代キレンジャーの方がしっくりきますね。
また、緑は地味と呼ばれるのも本作からという話があります。
確かに中盤には掛け合いも少なく、影の薄い時期がありますが、キレンジャーが二代目になったあたりからメインキャラの一人として前に出てきています。
終盤バトル時のキック技や足での投げ技、変身前のアクションも迫力があって、観てみると地味のイメージは払拭されますね。
4人の黒十字軍の幹部たち、意外に強い黒十字総統、巨大ロボの登場こそ無いですが、ブリブルーン、バリドリーン、バリキキューン、バリタンクなどの戦隊メカもかっこよく、見どころも多いです。
歴史に残る名作で、おすすめですが、古い作品で話数も多いため、全話観るのはちょっと大変ですね。