忘れられないドラマになりそう。
描かれているのは主人公の、どんよりした曇り空のような日々のことだが、フランス映画のようなシュールでロマンチックな場面もあって、長い映画を見ているような感じだった。
沈黙したり見つめ合ったりする時間が多い分、見る側も登場人物たちの心情を、十分に推し量り考える時間が与えられていたように思う。押しつけがましいメッセージ性はないので、ただ淡々と物語が過ぎてゆくのを楽しむだけなのが、心地良かった。
映像も音楽も静かで美しいし、何よりリュジュンヨルが魅力的。「女好きの若いつばめ」って表現、面白い。
独白、手記のような語り口は小説の「人間失格」にも通じるものがあった。小説のとは無関係なドラマだけれど、もしかしたら、作者は読んだことがあるのかな。
人間失格というタイトルなのに、人間味溢れる人たちの物語だった。
…「人間味」とは？だけど。
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お父さんが苦労して育ててくれたのに、何もできなかった。お父さんより貧しくなりそう。そうなったら、悲しむわよね。
幻想が無いのは死と同じ。
何になるかではなく何をするか。
