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殺人者のパラドックスのflytobcのネタバレレビュー・内容・結末

殺人者のパラドックス(2024年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。
「殺し」にまつわるパラドックス。

懲悪としての殺人が正当だとされ、平凡な学生が「HERO」になるのかどうか。
しかし、人を殺めて良いという正当な理由は最後まで示されなかったし、むしろ彼らがHEROになり切れなかった様が描かれていたように思う。
反省させ罰することに対し「お前が決めることではない」という台詞があったけれど、じゃあ誰が?という答えも見つからない。だから最後、おそらく刑事の一存で「許された」のも納得がいかなかった。しかしこの釈然としない感じこそが、この物語の意図するものだったのかもしれない。

延命装置を外すこと、犬を処分すること。そこには一見、理にかなった「仕方ない」理由がありそうだが、決断できずにいた刑事に人間性が見えた。

画面の切り替えやスローの場面など映像が洗練されていたが、その演出が頻繁過ぎて私にはちょっとくどかったかな。
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