このレビューはネタバレを含みます
続きが気になって一気見してしまった。
丁寧なストーリーと演出は、サスペンスとしても人間ドラマとしてもとても面白かった。
「最愛」というタイトルと「真相は、愛で消える」のキャッチコピー通り、登場人物全員の最愛の人・ものが事件に絡み合い、真実を隠していく。
殺人という大罪を犯す理由が「大切なものを守るため」というのは珍しくないとおもうけれど、登場人物全員のそれがここまで際立ちながら複雑に絡み合う話は初めて見たので、すごく引き込まれた。
大切なものを守るためなら、人はどんなことでもできてしまう。そこまで思える何かがあることや思ってくれる人がいることは、とても幸せなことであり、同時に危ういことでもある。
加瀬さんの掘り下げが少ないにも関わらず、加瀬さんの「最愛」が家族であることにうなづけてしまうのが不思議だった。2人のために自ら孤独を受け入れてしまうほどに。
血のつながりがなくても、人は人を深く愛し大切に思うことができるんだな、と感じさせられた。
「孤独を受け入れられる人間と、そうではない人間がいる。彼は、前者だ。」
「法律では守れないものがあるからだ」
話の冒頭に入るモノローグが小説のようでとても好きだった。