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D.P. −脱走兵追跡官−: シーズン2のAのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ニーナの話とかにちょっと言いたいことはありつつも、楽しんで(と言うのをためらう重い話なんだけど)見たD.P.2期。

すでに起こってしまったことはなかったことにはできないけれど、これから起こるかもしれないことに対しては間に合うかもしれない。はからずも最初の自死事件の最後のきっかけを作ってしまったジュノが意志を持って行動したのはもちろんのこと、ボムグやジソプといった大人たちが間に合わせなければという必死の思いで動いていたのがよかった。

裁判のあと軍隊ががらっと変わるわけではなく、まだまだ暴力は続くだろうと思う。石に投げた卵は割れてしまうけど、石には投げた卵のあとがつく。それは誰かにとっての希望や勇気にもなりうる。少しずつでも立ち上がる人、声を上げる人が続けばきっと石を穿つこともできるはずだ。ジソプがボムグから託されたバトンを繋いでいくように。
メインキャラクターの中でわかりやすく変わっていったジソプの物語に心打たれた。(もちろん彼らにも彼らの苦しみや物語があるんだけど)ジュノやボムグはたぶん「普通」の人から見ると「強すぎる」から。

兵役に行くのは「誰かの息子」である以上必定かもしれないけど、ずっと子と親の話をしているドラマだったなと思う。ジュノとジュノの父親、ジュノとボムグ、兵役につく国民と国。軍隊においては守られるべき子は守られず、暴力に晒されるような状況だったけど、すべて終わったあとにジュノとホヨルに語りかけるボムグの姿は、「子」を守る「親」の姿のように見えた。

ジュノとホヨルが軍隊の中の先輩後輩という間柄抜け出して新しい関係を築いていたのがうれしい。ホヨルの家族の話が残ってるけど、続きやスピンオフをやるつもりがあるのかないのか……。
A

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