芋けんぴ

ONE PIECEの芋けんぴのレビュー・感想・評価

ONE PIECE(2023年製作のドラマ)
4.5
大筋とかキャラクターの魅力は原作からだから、ここではこのドラマならではの魅力を語りたい。

ずばり、この実写化。リアルな頭身の人間が演じることによって原作では隠されていた「ティーンの物語としてのワンピース」が浮き彫りになってる気がする。

特にゾロとナミのやりとりではそこを凄く感じる。海ドラでよく見る自立した少年少女の落ち着いた掛け合い。

そうだ、こいつら年齢的には高校生なんだもんな、ということを思いださせてくれる。ワンピースってある側面では、過酷な事情を抱えた若者たちがルフィに出会って、うちに秘めていた本当の願い、望みを思い出し、ルフィに触発されることで「目指していいんだ!」と開眼する物語だったんだ。

後に出てくるチョッパーもロビンもそうだ。ルフィが壁をぶち壊すことで、夢に純粋に向き合うようになってく。

ドラマだからこそできる切り口!

悩み多きティーンエイジャーの物語としてのワンピース。凄い新鮮だし、被写体を実写にするだけでこんな違った側面がごくごく自然に引き出せるなんて。もうこの時点で今回の実写化は勝ちだね!

バラティエでゾロとナミが酒を飲ませ合うシーンとか漫画やアニメじゃ無理だけど、ドラマなら成せる自然なアレンジで個人的には1番の白眉かもしれん。

やりすぎるとしゃらくさくなるが、塩梅がほんと絶妙。

漫画と海ドラの良質なハイブリッドの一例になるやもしれん。

シーズン2が楽しみ。
芋けんぴ

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