第一話のツカミのインパクトがすごくて、
え、これはどうゆうことなのよ?とワクワクするが、
結局、試練になんかトリックがあるとかそういう話ではなく、
告知→試練は存在するというのが前提の世界。
だからとにかく不条理な現象が起こることに、
人々がそれにどういう意味づけをして、
そうすることがどれたけ危険かという話。
試練は「不条理な死」そのもののメタファーであり、
その意味するところを一つの宗教が占有したとき、
まぁ危ないことになりますねという話だった。
試練ゴリラのインパクトはたしかにすごいが、
スペシウム光線なかなか出さない問題よろしく
投げたり引きずったりが執拗で
けっこうな登場回数があるだけにやや飽きる。
死のメタファーだと思えば期間やタイミングのまちまちさは気にならないが、
あの若い子が死んじゃってからも果たしてここまで新真理会が力を持ち得るのかという疑問は感じた。
後半から出てくるオウム信者感のある新真理会の幹部の人が象徴的だが、
わりと新真理会が平坦で退屈な印象。
YouTuberみたいなやつが最後に掻き回すけれど、
もっと内側がごちゃついてもいいのにと思った。
「メッセージが複雑すぎてわかんねーよ」という最終話のセリフはよくて、
結局は意味なんてないものを単純化して騒ぎ、
暴徒まで生まれるっていうのはリアルな恐怖で、
テーマ自体は好みではあるのだが、
作品としては期待したほどじゃなかった。